主要クラウドベンダーはシステムの災害対策(DR)を可能にするために、DRaaSをはじめとするDR関連サービスやDRに関するドキュメントを提供している。GoogleとIBM、Oracleが用意するDR支援策を説明する。
Amazon Web ServicesやMicrosoftは、災害復旧(DR)に必要なインフラをクラウドサービスとして利用できる「DRaaS」(Disaster Recovery as a Service)を提供している。Googleは、DRaaSそのものは提供していない。代わりにDR計画の策定方法と、同社のクラウドサービス群「Google Cloud Platform」の各サービスをDR支援策として使用する方法についてのドキュメントを提供している。
DRに役立つ主要なGCPサービスは以下の通りだ。
「Ansible」「Chef」「Terraform」など、オープンソースソフトウェア(OSS)またはサードパーティー製の構成管理ツールもGCPで利用できる。GCPのパートナーの中には、GCPで利用可能なDRaaSを提供するベンダーもある。
IBMはDRaaSに加え、リカバリー作業を自動化する「IBM Resiliency Orchestration」をソフトウェア形式とクラウドサービス形式で提供する。バックアップベンダーのVeeam SoftwareやZertoと提携し、オンプレミスのインフラの仮想マシン(VM)とクラウドサービス群「IBM Cloud」のVM間でアプリケーションのバックアップや移行、複製を可能にしている。
Oracleはクラウドサービス群「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)でDRaaSを提供していないものの、同社のデータベース向けレプリケーション(複製)ソフトウェア「Oracle Data Guard」の使用に関するドキュメントを提供している。Data Guardは、OCIで稼働するデータベースの可用性向上に役立つ。
既にAWSやAzure、GCPをメインのインフラとして使用しているユーザー企業の場合、各ベンダーのサービスがDRaaSのニーズを満たすだろう。複数のクラウドサービスやオンプレミスのインフラにまたがる複雑なシステムの場合は、大手クラウドベンダーに加えてサードパーティーのDRaaSの導入も視野に入れる必要がある。
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