“1分”で消費者の声を分析 大手玩具メーカーの「Google Cloud」活用事例データ処理時間が1カ月から1分に

おもちゃメーカー大手のMattelは、消費者レビューの分析にGoogle Cloudを導入し、処理時間を1カ月から1分に短縮した。分析の効率化以外にも、同社は“望外の成果”を得ることができたという。その内容は。

2025年05月17日 06時00分 公開
[Caroline DonnellyTechTarget]

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 世界的なおもちゃメーカーMattelは、Googleのクラウドサービス群「Google Cloud」を活用して消費者レビュー分析の迅速化を実現しただけでなく、さらなる成果を得たという。その内容は。

MattelがGoogle Cloudを使って得た成果は

 2025年4月、Googleはクラウドコンピューティングに関する年次イベント「Google Cloud Next 2025」を開催した。イベントでは、Mattelの会長兼CEOのイノン・クライツ氏が登壇し、Google Cloudの活用事例を紹介した。1945年におもちゃメーカーとして創業したMattelは、さまざまなおもちゃブランドや商品群を抱える世界有数のブランド管理企業だ。

 Mattelの質、安全、持続性部門のバイスプレジデント、ジョセフ・ビンハイス氏によると、同社はGoogle Cloudのデータ分析機能を使用して、消費者からのフィードバックをリアルタイムで分析している。Google Cloudを導入する前は、従業員が手作業でフィードバックを分類、集計していた。Google Cloudを使うことで、データの処理時間を1カ月から1分に短縮できた。

 クライツ氏は、「電話やメール、オンラインレビュー、ソーシャルメディアのコメントなど、膨大な件数のフィードバックを、Google Cloudによって集約し、Mattelのファンとの関係を深めるための洞察と機会を得ることができた」と述べた。消費者の感情や好みをリアルタイムに分析できるようになっただけでなく、重要な課題や市場動向を即座に捉えられるようになったことで、業務効率と商品開発の両方で効果を創出したという。

 消費者データから得た洞察によって、Mattelは消費者のニーズと要望をより深く理解し、それに応えることが「顧客ロイヤリティー」(顧客が商品やサービスに感じる信頼や愛着)の向上にもつながった。例えば、子どものためにおもちゃを購入する保護者と、コレクターとしておもちゃに関心を持つ成人を区別し、それぞれの消費者に適した商品を提供することが可能になった。

 クライツ氏は、「Barbie Dreamhouse」や幼児向け商品「Kick and Play Piano」といったMattelの商品を挙げ、主力商品の改良の迅速化を目的とした消費者レビューの分析の自動化についても説明した。

 「これらは当社のグローバルベストセラー商品の2つであり、データに基づいた洞察によってさらに改良された」とクライツ氏は言い添えた。

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