Googleの「Google Cloud Platform」(GCP)は、Microsoftの「Microsoft Azure」やAWSの同名サービスと並ぶ大手クラウドサービスだ。GCPの基本的な特徴を説明する。
Googleはクラウドサービス群の「Google Cloud Platform」(GCP)を提供しており、Amazon Web Services(AWS)とMicrosoftに次ぐ大手クラウドベンダーだ。ITインフラ情報サイトを手掛けるDgtl Infraの調査によると、GCP事業は毎年200億ドル以上の売上高を上げている。GCPは、データセンターや管理手法、SLA(サービス品質保証契約)、料金体系の面で、どのような特徴を持つのか。
Googleは、アジア太平洋地域や北米、南米、ヨーロッパ、中東に複数の「ゾーン」(データセンター)を有している。2022年12月時点で、35個の「リージョン」(地域ごとのゾーン群)が存在し、これらのリージョンの中に合計106個のゾーンがある。
AWSやMicrosoftと同様、GoogleはSLA(サービス品質保証契約)の内容を個別のGCPサービスごとに設定している。Googleの仮想マシン(VM)サービス「Compute Engine」の場合、1つのインスタンス(仮想サーバ)に対して99.5%以上の月間稼働率を保証する。複数のゾーンにあるインスタンスや、負荷分散されたインスタンスで構築したインスタンス群の月間稼働率は、99.99%になる。GoogleはSLAを満たせなかった場合、利用料金の一部を、将来発生するGCPサービスの利用料金の支払いに振り替える形で返金する。
Googleは、Webブラウザで利用できる管理ツール「Google Cloud console」(画面5-1)に加えて、CLI(コマンドラインインタフェース)の「Google Cloud CLI」(gcloud CLI)も提供している。gcloud CLIはオープンソースOS「Linux」と同様のコマンドが利用可能で、Linuxに加えてMicrosoftの「Windows」やAppleの「macOS」といったOSにインストールできる。Linuxディストリビューション(配布用パッケージ)の「Debian」「Ubuntu」「Red Hat Enterprise Linux」「Fedora」「CentOS」用のバージョンもある。
他のクラウドベンダーと同様に、GCPは従量課金制の料金体系を採用している。GCPを試したいユーザー企業は、最大300ドルの無料クレジットを受け取って、20種類以上のGCPサービスを利用できる。Googleは、GCPで各種処理を実行する際の利用料金計算ツール「Google Cloud Pricing Calculator」を提供している。
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