大手クラウドサービスの一つである、Microsoftの「Microsoft Azure」。そのデータセンターやSLAに関する基礎知識を解説する。
Microsoftの「Microsoft Azure」は、Amazon Web Services(AWS)の同名サービス群と同様に、広く使われているクラウドサービス群だ。ITインフラ情報サイトを手掛けるDgtl Infraの調査によると、Microsoftはクラウドサービス事業から900億ドル以上の売上高を上げている。Microsoftのクラウドサービスには、Azureだけではなくオフィススイートの「Microsoft 365」(Office 365)も含まれる。
MicrosoftはAzureのデータセンターを意味する「アベイラビリティゾーン」(AZ)を、各「リージョン」(地域ごとのAZ群)に配置している。Microsoftは2022年12月時点で、58カ所のリージョンを提供しており、それぞれのリージョンに複数のAZが存在する。
AWSと同様に、MicrosoftはAzureサービスごとにSLA(サービス品質保証契約)を設定している。仮想マシン(VM)サービスの「Virtual Machines」のSLAは、AWSのSLAと似ている。2つ以上のAZにあるインスタンス(仮想サーバ)で構成されたインスタンス群に対して、99.99%の可用性を保証する。同じAZにあるインスタンスで構成されたインスタンス群の場合、保証する可用性は99.95%に下がる。
単一インスタンスの可用性はインスタンスの種類によって異なる。Microsoftはインスタンスについて、少なくとも95%以上の可用性を保証している。AzureがSLAを満たさない場合、同社は利用料金の一部をユーザー企業に返金する。
第4回は、Azureの管理方法と料金体系を説明する。
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