IDCによると、PC市場は減少傾向だ。これはPCベンダーにとって悩ましいことであると同時に、ユーザー企業にとっては朗報だという。なぜなのか。
PCを買うなら、いつがチャンスなのか。調査会社IDCによると、2022年第4四半期(10月〜12月)の世界のPC出荷台数(デスクトップPCとノートPCを含む)は6720万台で、前年同期比28.1%減少した。2022年の年間出荷台数は2億9230万台で、2021年と比べて16.5%減少したという。この動きは、PC購入を考えている企業にとって何を意味するのか。
IDCのアナリスト、ジテシュ・ウブラニ氏によると、PCベンダー各社は販売の低迷を受け、製品の価格を下げている。ウブラニ氏は「需要の縮小によって各社は過剰在庫を抱えており、販売の活性化が急務だ」と説明する。今後はさらなる値下げの可能性もあると同氏はみる。企業はこうした動きを受け、PC調達のコストを抑制できる可能性があるということだ。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)時に始まったPC部品不足について、問題は解消されたとIDCはみる。半導体製品大手のIntelは最近、同社製品の値上げを発表した。ただしブラウニ氏は「PCベンダー各社はコスト抑制のために、値上げ前にCPUを仕入れており、短期的な影響はほとんどない」と語る。
2022年のPC出荷台数の減少は、パンデミック特需の反動だとIDCは分析。パンデミックが始まった2020年から2021年にかけ、企業や教育機関、一般消費者はテレワークやオンライン教育の導入を受け、PCの買い替えに積極的だった。IDCによれば、パンデミック中には旅行やコンサート鑑賞ができず、消費者の資金に余裕ができたこともPCの販売増につながった。
IDCは、2024年にはPC市場が再び成長に転じると予測する。MicrosoftはOS「Windows 10」のサポートを2025年10月14日に終了する計画だ。サポート終了に向け、企業でのPC買い替え需要が活性化するとIDCはみる。
後編は、スマートフォンの販売動向に焦点を当てる。
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