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「ソフトウェア定義ストレージ」(SDS)で陥りがちな“落とし穴”とは?SDSの利点と落とし穴【第3回】

ストレージシステムのコスト削減や運用を効率化するツールとしてSDSに注目が集まっている。ただしSDSには落とし穴もある。注意点を紹介する。

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 ストレージのハードウェアとソフトウェアを分離した「ソフトウェア定義ストレージ」(SDS)の利用が広がっている。SDSの主な利点として、複数の物理ストレージを組み合わせて、論理的な単一のストレージとして取り扱う「ストレージプール」ができることと、ストレージソフトウェアのベンダーに依存せずにハードウェアを交換できることがある。

 このような利点があることから企業の利用が広がっているSDSだが、見落としがちな落とし穴があるので注意が必要だ。

「SDS」の落とし穴とは?

 SDSを導入することで、ストレージの運用がより複雑になるリスクがある。SDSはベンダー独自のストレージコントローラーよりも機能が劣ることがある。SDSを使う場合、ストレージアレイが備える、ベンダー固有の設定ツールやダッシュボードを使えないことがある。一般的にベンダー固有のツールはSDSよりも機能が充実している。独自機能を使えば、フラッシュストレージの耐久性や処理速度を、SDSと比べて改善できる可能性がある。

 SDSは、期待するほどには“オープン”ではないことがある。ベンダーによってはSDSがサポートしている対象のストレージ製品が限られているからだ。SDSを単体ではなく、自社ハードウェアに搭載した形でしか販売していないベンダーもある。「自社が開発したストレージシステムこそが最も性能を発揮できる」という理由から、「SDSとの統合はできない」と考えるベンダーも存在する。

 「市場がSDSだけになることはない。単一のベンダーで統合されたハードウェアスタックには幾つかのメリットがある」と、調査会社Gartnerのシニアディレクターであるチャンドラ・ムヒャラ氏は分析する。


 第4回は、SDSに業界標準がないためにユーザー企業が向き合わざるを得ないデメリットを紹介する。

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