MDMでもEMMでもなく「UEM」(統合エンドポイント管理)を選ぶべき訳とは?:エンドポイント管理ツールの完全ガイド【第4回】
「UEM」ツールは「MDM」「EMM」ツールと同じくエンドポイント管理ツールの一種だが、MDMツールやEMMツールとは大きく異なる点がある。具体的な違いと、UEMツールの利点をまとめる。
ノートPCやスマートフォンなどを含めて、企業内のエンドユーザーはさまざまなエンドポイント(デバイス)を業務に用いるようになった。企業のITチームがそれらを管理する「エンドポイント管理」のツールには、以下のような分類がある。
- モバイルデバイス管理(MDM)
- エンタープライズモビリティー管理(EMM)
- 統合エンドポイント管理(UEM)
このうちUEMツールとは、EMMツールを代替できる次世代型のエンドポイント管理ツールだ。MDMツールやEMMツールとは具体的に何が異なるのか。
「UEM」とは何か? MDMやEMMと何が違う?
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連載:エンドポイント管理ツールの完全ガイド
- 第1回:MDM(モバイルデバイス管理)とは何か? エンドポイント管理の超基本
- 第2回:いまさら聞けない「MDM」(モバイルデバイス管理)の基本と意外な“落とし穴”
- 第3回:MDMの進化版「EMM」とは何か? 2大エンドポイント管理の“決定的な違い”
エンドポイント管理ツールの基礎知識
UEMツールは、MDMツールやEMMツールと同様に、モバイルデバイスを管理できる。大きな違いは、UEMツールがデスクトップPCやノートPCなど、モバイルデバイス以外のエンドポイントも管理できることだ。中には、IoT(モノのインターネット)デバイスやウェアラブルデバイスなど、他の種類のエンドポイントを管理できるUEMツールもある。
MDMツールに続いてEMMツールが登場したとき、エンドポイント管理のベンダーは、エンドポイント管理ツールの改善に向けた重要な一歩を踏み出した。モバイルデバイスにあるアプリケーションの管理を含めて、モバイルデバイス管理の機能を1つのツールでまとめて提供するようになったからだ。モバイルデバイスの管理において複雑なニーズを持つ組織も出始めていたことから、必要な機能を1つのEMMツールで利用できることが重要だった。
EMMツールのこうした進化に続き、UEMツールの登場はエンドポイント管理における大きな一歩になった。EMMベンダーはデスクトップPCやノートPCを管理する機能をツールに追加し、PC管理のベンダーはモバイルデバイスを管理する機能をツールに追加した。
UEMツールに共通する特徴や機能としては、以下のようなものがある。
- 「iOS」や「Android」などのモバイルOSを搭載する複数種類のモバイルデバイスを管理可能
- 「Windows」や「macOS」「Linux」などのクライアント用OSを搭載する複数種類のデスクトップPCやノートPCを管理可能
- 社内開発のアプリケーション、ベンダーのアプリケーションストアから入手するアプリケーション、アプリケーションストア以外で購入するアプリケーション、組み込みアプリケーションなど、提供方式の異なるアプリケーションを管理可能
- 組織のセキュリティポリシーやコンプライアンス要件に適合しないエンドポイントを特定する監査機能
- マルウェアスキャンやパッチ(修正プログラム)管理といったセキュリティ機能
- 管理デバイスの状況をまとめるレポーティング機能
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