老舗の小売業者に学ぶ「なぜDXをするのか」という本質的な問題:DXを失敗させないための基本【第5回】
英国の老舗小売業者がDXを進めている。レガシーなITインフラを抱えた企業がDXを進めた目的と、何を達成しようとしているのかを紹介する。
自動車用品、自転車部品などの販売を手掛ける小売業者Halfords Group(以下、Halfords)は、2018年にデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを開始した。同社がDXに取り組む上で重視した目標とは、何だったのか。
なぜDXをするのか? 老舗の小売業者が掲げた“本当の目的”
併せて読みたいお薦め記事
連載:DXを失敗させないための基本
- 第1回:「デジタル化とDXはそもそも違う」問題 まず何を理解すべきか?
- 第2回:「DXで人を動かす」ための3つのポイント
- 第3回:「DXの予算」を賢く使うには? あつれきを生まない“絶妙なバランス”の鍵
- 第4回:アジャイルの次に考えるべき「プロダクト思考」とは何か?
レガシーシステムとDX
Halfordsが目指してきたのは、細分化された自動車サービス市場において、同社のシェアを拡大し、事業を成長させることだ。その一環でHalfordsは2021年12月、National Tyre Service(National Tyres and Autocareの名称で事業展開)の自動車サービス事業の買収を完了し、Halfordsが構築してきたブランドイメージの再構築(リブランディング)を図った。
Halfordsの最高情報責任者(CIO)であるニール・ホールデン氏は、「さまざまな部門を統合することで、顧客が製品やサービスをより利用しやすくすることが、DXにおいて掲げた目標だった」と説明する。
部門の統合に向けた課題は、オンプレミスを前提としたレガシーなITインフラを使っていたことだった。DXの取り組みを進めた結果、顧客が利用するシステムのほとんどが、クラウドサービスに移行済みか、移行中になったという。
第6回は、HalfordがDXを通じて創出した成果を紹介する。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.