「iOS」と「Android」のどちらが“安心”なのかを決める条件:iPhone/iPadとAndroidのプライバシー比較【第1回】
モバイルデバイスを業務で利用する上で、「iOS」「iPadOS」か「Android」のいずれを用いる場合でも、データの安全性やプライバシー保護は重要だ。適切なモバイルデバイスを選ぶには、何を見ればいいのか。
モバイルデバイスを仕事に使う場合、どのモバイルOSが適するのかを見極める必要がある。具体的には、Appleのスマートフォン「iPhone」やタブレット「iPad」といったモバイルデバイスと、GoogleのモバイルOS「Android」を搭載したモバイルデバイスのどちらにするかを比較しなければならない。本連載は、両者を比較する際に役立つ違いを解説する。
「どのモバイルデバイスが安心か」を決める条件はこれだ
Apple製モバイルデバイスとAndroid搭載デバイスの大きな違いの一つが、従業員のプライバシーへのアプローチだ。モバイルデバイスの業務利用が拡大している現状において、データプライバシーは従業員だけではなく管理者にとっても大きな関心事になっている。
特に私物端末の業務利用(BYOD)の場合、デバイスの大部分を従業員自身がコントロールできる。そのためBYODにおいて企業は、データの安全性と従業員のプライバシーの両方を加味してバランスを取るべきだ。そのために考慮すべき点を以下に挙げる。
- モバイルデバイスの所有権
- BYODでは、従業員のモバイルデバイスに業務データと個人データが混在することを許容する。ただしこの状況は、個人のプライバシーに関する問題を引き起こす可能性がある。
- モバイルデバイスの多様性
- 従業員が使うモバイルデバイスは多種多様であるため、一貫したプライバシー対策の導入が簡単ではなくなる。
- データの保存と共有
- 従業員が業務データと個人データを同じモバイルデバイスに保存する場合、モバイルデバイスが紛失、盗難、流出した際の危険度が高まることに注意が要る。
- 個人情報の保護
- モバイルデバイスにおける個人データの管理において、企業は従業員のプライバシーを尊重する必要がある。
- モバイルデバイスの監視
- セキュリティを目的としてモバイルデバイスを監視する際、従業員に対する透明性と倫理性を考慮する必要がある。
- データアクセスの制御
- 機密データには限られた従業員のみがアクセスできるよう、適切なアクセス権限を設定することが欠かせない。
- データの暗号化
- データを暗号化することで機密性が高まる一方で、パフォーマンスと使い勝手に影響が出る場合もある。
- テレワーク
- 従業員がテレワークをする機会が増えると、多様な場所やネットワークからのデータアクセスが増加し、プライバシー問題が複雑化する。
以上の要素に加えて、デバイスの機種やモバイルOSの選択も重要だ。iPhoneなどApple製モバイルデバイスと、Android搭載デバイスのハードウェアやソフトウェアには大きな違いがある。仕事に使う際はそれぞれの違いと利点、注意点をよく理解する必要がある。
第2回は、Appleのデータプライバシーへの取り組みを紹介する。
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