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Android端末の「仕事用プロファイル」などプライバシーの便利機能:iPhone/iPadとAndroidのプライバシー比較【第3回】
業務で「Android」搭載デバイスを利用する上では、さまざまな機能や仕組みをエンドユーザーのプライバシー保護に活用できる。プライバシー保護という観点から見た、Androidの役立つ機能とデメリットとは。
GoogleのモバイルOS「Android」のプライバシーモデルは、エンドユーザー自身がアクセスを許可する仕組みに基づく。そのためAndroidアプリケーションが機密性の高いデータにアクセスする際は、エンドユーザーによる許可が必要だ。データ暗号化や、提供元が信頼できることを確認できたプログラムを実行する「確認付きブート」も、デバイスのセキュリティ確保に貢献している。
企業は、Androidデバイスをビジネス用途で運用するための管理プログラム「Android Enterprise」を利用することで、Androidデバイスのセキュリティとプライバシーを強化できる。
Androidのデータプライバシー機能
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モバイルデバイスの運用方法
以下の機能は、企業がAndroidを利用する上でエンドユーザーのプライバシー保護に寄与する。
- データセーフティセクション
- Googleの公式マーケットプレース「Google Play」は、アプリケーションの開発元がデータ使用情報を公開するための場である「データセーフティセクション」を設けている。同社はアプリケーションの開発元に対して、データセーフティセクションでの情報提供を義務付けている。
- 仕事用プロファイル
- Androidデバイスにおいて個人データと業務データを区別して管理するための「仕事用プロファイル」を適用すれば、企業が制御できる状態でAndroidデバイスを管理下に置くことが可能だ。
- 仕事用プロファイルを活用することで、業務用のアプリケーションとデータを保管するための安全なスペースを確保できる。個人データと業務データが分離されることで、プライバシーとセキュリティが向上する。
- エンドユーザーは仕事用プロファイルを一時停止することで、勤務時間外に仕事関係の通知を受け取ることを回避できる。
- Google Play プロテクト
- Android搭載デバイスが内蔵するセキュリティ機能「Google Play プロテクト」は、Google Playやそれ以外の配布元から入手したアプリケーションをスキャンして、有害なアプリケーションかどうかを判別する。
- デバイスの選択肢
- Androidはオープンソースであり、製品の種類や形状、コストといった観点からさまざまなデバイスを選択可能だ。企業はこの多様性を活用して、自社に最適なデバイスを選択できる。
- 高いセキュリティと耐久性を求められる企業であれば、OSの標準機能を補強する追加の制御機能を備えた堅牢(けんろう)なデバイスが選択肢になる。こうした制御機能は、企業のデバイス管理を効果的にする一方で、従業員のプライバシーに影響を与える可能性がある。
Androidの弱点
IT管理者は、Androidにおけるエンドユーザーのプライバシー保護について、以下の欠点を考慮すべきだ。
- 断片化
- Androidは多様な機種のデバイスがあることが利点である一方、各ベンダーが異なるバージョンのAndroidを使用している。これによってセキュリティアップデートが遅延する可能性がある。古いバージョンのAndroidを搭載するデバイスは、攻撃に対して脆弱(ぜいじゃく)になりやすい。
- サードパーティー製アプリケーション
- Androidにはアプリケーションのインストール方法が複数存在する。この多様性は利点でもあるが、セキュリティやプライバシーに関する問題を招く恐れもある。特に、エンドユーザーがGoogle Playストア以外の場所や、MDM(モバイルデバイス管理)ツール経由以外でアプリケーションをダウンロードすると、セキュリティリスクに直面する可能性が高まる。
- この問題に対しては、Google Playプロテクトが有効に働く。入手元が不明なアプリケーションのインストールを防ぐMDMポリシーを設定することも有効だ。
- アプリケーションによるデータ収集
- 一部のAndroidアプリケーションは、必要以上のデータアクセスを要求するものがある。これがプライバシー問題につながる可能性がある。
次回は、Apple製デバイスとAndroid搭載デバイスを比較する際の観点を取り上げる。
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