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FinTech企業が「役に立たないデータ」を使い倒せるようになった方法とは“増え過ぎたSaaS”が招くリスクと解決策【第2回】

複数のSaaSを利用していると、データ連携に掛かる時間やコストが増大する可能性がある。こうした問題を解決し、データ活用を容易にする方法とは。決済システムベンダーのVitesse PSPの事例を基に説明する。

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 「ビッグデータに関する課題に直面する企業が増えている」と語るのは、金融機関に向けて決済システムを開発・提供するVitesse PSPでプリンシパルソリューションマネジャーを務めるクレイグ・ウォルター氏だ。

 決済業界のデータ処理を取り巻くシステムの構造は複雑だ。決済業界は多種多様なプログラミング言語や開発手法を使用し、複数ベンダーの製品やサービスを使ってシステムを構成している。「ビッグデータを処理するには、ユーザー企業やデータソースごとに特定のフォーマットで大量のデータを分類できるツールが必要だ」(ウォルター氏)

Fintech企業や小売業がデータを使い倒した方法とは

 Vitesse PSPはデータ統合ツールの開発提供を手掛けるSnapLogicの協力を得て、金融機関向けのデータ統合ツールを開発している。SnapLogicの同名サービスは、データ処理に必要な作業を自動化するiPaaS(Integration Platform as a Service)だ。

 「当社にとって最大の課題は社内リソースの不足だった。開発チームはユーザー企業への自社サービスの導入作業に追われ、他の業務が後回しになっていた。SnapLogicのような人工知能(AI)技術を組み込んだツールを使用することで、以前は専任の担当者が手作業で実施しなければならなかった導入作業の一部を自動化できた」(ウォルター氏)

 ウォルター氏によるとSnapLogicを使用することで、自社サービスの導入作業を開発チームに依存する状態から抜け出し、業務が遅れる原因を取り除けたという。

 SnapLogicを使用する英国のオンラインアパレル小売業者hush homewearでも同様の効果が得られている。同社のデータ責任者を務めるブラッド・ウッドワード氏は、データ入力作業といった手作業の業務がリソースを消費していることが同社の課題だったと話す。「こうした課題を解消し、データを最大限に活用できるようにする必要があった」(ウッドワード氏)

 ウッドワード氏は次のように続ける。「大量のデータを保有するのは良いことだが、それを利用できなければビジネスの役には立たない。データの統合は、データを最大限に活用する鍵になる」


 第3回は、散在するデータを統合するために役立つ技術について説明する。

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