ChatGPTは「ネットワーク技術の難題」も“学習済み”だった?:ChatGPTとネットワークエンジニア【後編】
ChatGPTはネットワークエンジニアが投げ掛ける技術的な質問にも回答可能だという。どのような質問であれば適切な回答を得られるのか。その限界と可能性を探る。
AI(人工知能)ベンダーOpenAIのAIチャットbot「ChatGPT」は、ネットワークエンジニアの業務に役立つ可能性がある。ChatGPTはユーザーの指示を基にテキストや画像、音声などのデータを生成する「生成AI」(ジェネレーティブAI)ツールの一種だ。
AI分野のコンサルタントであるアルベルト・ロルダン氏によれば、ネットワークエンジニアはさまざまな質問について、ChatGPTから詳細な回答を得られる。ChatGPTはネットワーク技術に関して、どのような質問に回答可能なのか。
ChatGPTは「ネットワークの難題」にどこまで回答できる?
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ネットワークエンジニアに求められていること
ロルダン氏によれば、ChatGPTは以下の質問に詳細な回答が可能だという。
- 音声や動画など特定のトラフィックを優先的に処理し、適切な帯域幅を確保するために、ネットワークにQoS(Quality of Service)を導入するにはどうすればよいか
- クラウドサービスを含めて複数のデータセンターでネットワークの可用性向上と負荷分散を実現するには、ネットワークアーキテクチャをどのように設計したらよいか
- アプリケーションのパフォーマンスに影響を与えるDNS(Domain Name System:名前解決)の問題や、OSI参照モデルの複数のレイヤーが関与するネットワークのトラブルシューティングをどのように実施したらよいか
- ネットワークセグメンテーション(ネットワークの分割)とは何か
- ネットワークでセキュリティとパフォーマンスを改善するにはどのような方法を取ればよいか
ただしロルダン氏は、ChatGPTはまだ新しいツールであり、限界や課題もあると指摘する。2023年の現時点では全てのネットワークエンジニアのタスクを自動化できるほど信頼できるものではない。
ChatGPTは問われた内容に対して回答を返す仕組みとなっており、インターネットから検索して取得した情報を集約し、分析した結果を提供することもできる。文章を生成する際は、最も一般的と判断した単語を選択して文章を作る。ChatGPTの欠点は、発見した全てのデータを「正確で有用」と判断してしまう可能性があることだ。ChatGPTは、発見したデータの価値を見分けるために、さらに訓練をする必要がある。その欠点を克服できれば、ChatGPTが支援できない問題はほとんどなくなるだろう。
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