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「三日坊主」だった従業員が学習をやめられなくなる簡単な方法とは「継続的な学習」を普及させる12のヒント【前編】

従業員のために「継続的な学習」の機会を社内に広げるとどのようなメリットがあるのか。普及に向けてどのような取り組みが必要なのか。

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 従業員の採用にはお金が掛かる。採用後、従業員にオンボーディング(新人の受け入れから戦力化までのプロセス)を実施し、戦力として働けるようになるまでに企業が負担するコストは膨大なものになりがちだ。

 一方で、既存の従業員に継続的な学習機会を提供することは、従業員と企業にメリットをもたらす可能性がある。従業員が継続的に学ぶ仕組みが社内にあると、従業員のエンゲージメント(組織との信頼関係)、業務に対するモチベーション、スキルが向上する。その結果、従業員が職場に定着し、離職に伴うコストを減らすことができる。新規事業の立ち上げや新業務の取り回しといった場面では、従業員が学んだ力を発揮してくれる可能性もある。

 継続的な学習機会を社内に普及させる12個のヒントを紹介する。

ヒント1.「継続的パフォーマンス管理」を導入する

 年度初めに目標を立て、年度末にその達成度合いを評価する――このような人事考課のプロセスが従業員の学習意欲をかき立てるとは考えにくい。継続的な学習機会を作っていく上で人事評価の仕組みに取り入れたいのが「継続的パフォーマンス管理」(CPM:Continuous Performance Management)だ。年度単位ではなく、上司と従業員とのリアルタイムな対話を通じて目標設定やフィードバックを実施するのがCPMの特徴だ。対話の中で、継続的な学習機会に対する希望や必要性を見いだすことができる。

 上司にとっては、CPMを通じて従業員とのミーティングの機会が増えることでコーチングのスキルが向上するという副産物が得られる。ざっくばらんな会話の中から、従業員が業績を上げるためにはどのような支援が必要かを引き出し、従業員を自律的な人材に育てるのだ。

ヒント2.リスキリングやアップスキリングの機会を作る

 新たな職種での就業に向けて新たなスキルセットを身に付ける「リスキリング」や、既存スキルを向上させる「アップスキリング」の機会を作ることが、従業員のモチベーションにつながる可能性がある。

 新規事業の立ち上げや新業務の取り回しにおいては、上司から従業員への指示が簡単なものになるとは考えにくい。指示内容を準備するための負荷も掛かる。そのような状況においては、業務に必要なソフトウェアとトレーニングの機会を従業員に提供する方が有益なものになる可能性がある。

 こうした機会を作る方が新たな従業員を採用するよりもコストが掛からず、従業員と企業にメリットをもたらすと考えられる。

ヒント3.ソーシャルメディアを活用する

 ソーシャルメディアはフォロワーや「いいね」を集める娯楽と思われがちだ。しかしソーシャルメディアを学習機会と結び付ければ、継続的な学習の文化を社内に広げる土壌を作り出すことが可能になる。

 インターネットには業務スキルを磨くのに役立つコンテンツが膨大に存在している。その中から上司がお薦めを見つけて従業員と共有したり、従業員にお薦めを聞いたりするのは良い方法だ。動画共有サイト「YouTube」で役に立つ動画を見つけたり、短文投稿サイト「X」(旧Twitter)でトレンドになっているハッシュタグ(「#」から始まる分類用単語)に目を通して、業界の最新トレンドや動向をつかんだりするのもよい。


 中編は、継続的な学習機会を拡大する12個のヒントのうち、4〜8つ目を紹介する。

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