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「コーディングはもうしない」 管理職になるエンジニアの決断とは?管理職になるエンジニアの心構え【後編】

管理職になるというキャリアは、全てのエンジニアが簡単に受け入れられるものではない。管理職になるのか、専門職を続けるのかで悩んでいるのであれば、知ってもらいたい3つのポイントがある。

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 エンジニアとして管理職になることは、エンジニアのキャリアの築き方としては有意義な選択の一つだ。新たなスキルを獲得し、仕事の影響力を広げるチャンスを得やすくなる。とはいえ、通常はエンジニアにとって管理職になるという決断は簡単なものではない。管理職になるのか、専門職を続けるのかで悩んでいるのであれば、管理職を具体的にイメージするための3つのポイントを知ってもらいたい。

管理職になるエンジニアの決断とは? 知っておきたい3つのポイント

管理職を視野にあるのであれば、その経験を積んでおく

 「管理職を視野に入れているのであれば、個別案件でリーダーを務め、マネジメントスキルを身に付けるとよい」。ソフトウェアや機械学習(ML)のエンジニアでエンジニアのキャリアコンサルティングも務めるカルロス・ガルシア・フラド・スアレス氏はこう説明する。マネジメントの実践経験として以下の役割を担うことができるためだ。

  • 複雑な問題を解決するための段取りを付ける
  • 案件の要件定義から方向性の設定までをリードする
  • チームメンバーのメンター(知識や経験のある技術者が未経験者を助言、指導する立場)になる

 これらの経験は、個人的な成長の機会だけではなく、管理職に就任した際にチームメンバーとの関係を築くための基礎を作るためにも有益だ。「周囲はあなたをリーダーと見なすようになる。リーダーとして指示を出す経験をしていたあなたから指示を受けることに違和感を持たないからだ」。こうスアレス氏は説明する。

現場の仕事に固執しない

 管理職に就いた場合、以前の業務も続けたいという気持ちを抑える必要がある。チームメンバーと一対一で面談してマネジメントをするという不慣れな業務よりも、エンジニアとしてソースコードを書いたりバグを修正したりする方がなじみがあり、短期的には生産的な業務をしているように思えるものだ。このような考えに対してスアレス氏は「管理職になったらそのような気持ちを抑えて新しい職務に専念すべきだ」と指摘する。「管理職に昇進したのであれば、組織のためにどのような役割を果たすべきかを自覚する必要がある」とも同氏は言う。

 これらはスアレス氏自身の経験に基づく発言だ。同氏が初めて管理職になった当初、自分の業務が生産的ではないように感じたという。エンジニアだった時と違い、自分の業務が決まった手順に沿って進めるものではなかったからだ。

 「幾つもの会議に出席したり、従業員に指示を出したり、プロダクトマネジャーに情報を共有したりしていると、あっという間に一日が終わる。ソースコードを1行も書かないでいると、まるで仕事をしていない気がした」。スアレス氏はこう説明する。

 管理職からのフィードバックが必要な部下を管理することこそ、管理職の重要かつ必要な役割だ。「自分が管理職としてどのような価値をもたらすことができるかを認識しないのは問題だ」とスアレス氏は指摘する。

昇進の話をもらったら勤務先と交渉する

 ソフトウェアベンダーFlatiron Softwareのプレジデントを務めるキリムゲレー・キリムリ氏は、管理職への登用の話をもらったら、勤務先との交渉で以下を明確にすることを勧める。

  • 具体的な責務
  • 報酬の内容
  • 昇進が成長の機会となるかどうか

 キリムリ氏によると、新しい職務に円滑に移行できるよう、勤務先に対して研修や能力開発のセミナーを受講できるように求めることも一考に値する。昇進に対する能動的な態度が、継続的な能力の向上と長期的な成功に努めようとする姿勢を示すことにもつながる。

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