いまさら聞けない「ハブ」「モデム」「リピーター」とは スイッチと何が違う?:ネットワークを作る8つのデバイス【中編】
ネットワークはさまざまなネットワークデバイスが相互に役割を補い合って成立している。ネットワーク内で「ハブ」「モデム」「リピーター」はどのような役割を持つのか。
ネットワークは企業活動において欠かすことのできないインフラとなっている。ネットワークは複数のネットワークデバイスで構成される。主要な8つのネットワークデバイスのうち、本稿は「ハブ」「モデム」「リピーター」を基礎から解説する。
4.ハブ
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ハブは、複数のデバイスを同じLANに接続させるネットワークデバイスだ。例えばノートPCやデスクトップPC、プリンタをイーサネットケーブル(LANケーブル)でハブのポートに接続することで、これらのデバイスを同じローカルネットワークに参加させることができる。
ブリッジとルーター、スイッチとは異なり、ハブは1つのポートから受信したメッセージを残りの全ポートに送信する。その際、フレーム(イーサネットでやりとりするデータの最小単位)を調べることも、意図された宛先用にメッセージを振り分けることもない。
ハブは、LAN外部と通信するためにルーターまたはスイッチに接続する必要がある。ハブ用のデバイス同士を接続してネットワーク全体を広げることもできる。
ハブには、以下の種類がある。
- パッシブハブ
- 信号の増幅機能がなく、単純に信号を分配するだけの役割を果たす
- アクティブハブ
- 信号の増幅機能を持ち、広範囲に信号を送信する必要がある場合に使用される傾向にある
- インテリジェントハブ
- アクティブハブの機能に加えて、ネットワークや接続するデバイスの監視機能を備えている。ネットワーク機器の情報を取得するために用いられるプロトコルである「SNMP」(Simple Network Management Protocol)に準拠しているものを指すことがある
ハブはOSI参照モデルの第1層(物理層)で動作する。
5.モデム
モデムは主にアナログ信号とデジタル信号を相互に変換する機能を持ったネットワークデバイスだ。一般的なモデムであるインターネットモデムは、インターネットサービスプロバイダー(ISP)の電話回線が利用するアナログ信号を、家庭やオフィスのデバイスが利用可能な無線通信やデジタル信号などの形式に変換することで、インターネットアクセスを可能とする。光回線の場合はモデムではなくONU(光回線終端装置)がデジタル信号と光信号を相互変換する。
モデムは通常ルーターと接続する。ISPはルーティング機能とファイアウォール機能を組み合わせたモデムを提供することがある。
モデムは、その種類に応じて、OSI参照モデルの第1層または第2層で動作する。
6.リピーター
リピーターは信号を増幅して宛先に再送信する。リピーターは信号の減衰や干渉を和らげて受信域を拡大するために使用される。無線ネットワーク内で使われるのが一般的だが、光ファイバー、電話、TV放送などでも利用される。複数のデバイスから受けた信号を増幅するハブと違い、リピーターは一般的に信号の受信用と送信用の2つのポートしかない。
リピーターはOSI参照モデルの第1層で動作する。
次回はルーターとスイッチについて解説する。
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