いまさら聞けない「トラッキングピクセル」と「Cookie」の基礎知識:Webの追跡技術を比較【前編】
デジタルマーケターが消費者の行動を追跡する上で、鍵になるのが「トラッキングピクセル」と「Cookie」だ。それぞれどのような仕組みなのか。
デジタルマーケティングの分野では、消費者の行動を追跡するために「トラッキングピクセル」と「Cookie」が使われている。企業はこれらで収集したデータを基に、消費者にターゲティング広告を配信できる。それぞれどのような仕組みなのか。
トラッキングピクセルとCookieの基礎知識
トラッキングピクセルとは?
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サードパーティーCookieを巡る動向
トラッキングピクセルは、Webサイトやメール、広告などのHTMLファイルに埋め込まれた、透明の小さな画像だ。通常は1×1ピクセルのサイズで、ページの背景に溶け込んでいる。
マーケティングピクセルとも呼ばれるトラッキングピクセルは、エンドユーザーがどのWebページを訪問し、どの広告をクリックしたかなどのデータを収集する。
トラッキングピクセルには、主に2種類ある。
- リターゲティングピクセル
- エンドユーザーの行動を追跡し、得られたデータに基づき、他のWebサイトでターゲティング広告を配信するためのトラッキングピクセル。
- リターゲティングとは、エンドユーザーがWebサイトを離れた後、再訪を促すオンラインマーケティングの手法。
- コンバージョンピクセル
- マーケティングキャンペーンやチャネルの有効性を検証するためのトラッキングピクセル。
- エンドユーザーが広告、アフィリエイトリンク、あるいは他のルートか、どのような経路でWebサイトを見つけ、Webサイトへの登録や購入などのコンバージョンに至ったのかを確認できる。
Cookieとは?
Cookieは、エンドユーザーのデバイスに保存されるテキスト情報だ。「HTTP Cookie」や「インターネットCookie」とも呼ばれる。企業はCookieを活用して個々のエンドユーザーを識別し、Webサイトでのユーザーエクスペリエンス(UX)をパーソナライズできる。
通常、Cookieは一意の識別子を含む。エンドユーザーがWebサイトを訪問すると、CookieがエンドユーザーのWebブラウザに保存する。個人情報を含むCookieなど一部のCookieは、エンドユーザーの同意を得てから保存しなければならない。
企業がCookieを活用すると、Webサイトでのエンドユーザーのログイン情報を保存でき、エンドユーザーはWebサイトを訪問するたびにログインする必要がなくなる。Cookieは、ショッピングカートのアイテムを記憶したり、フォームに情報を自動入力したりする役割を担う。企業はトラッキングピクセルと同様、Cookieを利用して広告に対するエンドユーザーの反応や閲覧アイテムを追跡したり、ターゲティング広告を配信したりできる。
発行元でCookieを分類すると、以下の2種類に分けられる。
- ファーストパーティーCookie
- エンドユーザーが訪問しているWebサイトが作成するCookie。
- 設定や閲覧履歴など、Webサイトに関連する情報を保存し、UXを向上させる。
- サードパーティーCookie
- 広告配信のためにエンドユーザーの行動を追跡するCookie。広告やWebバナー、動画、ソーシャルメディアに埋め込まれる。
- デジタルマーケターはサードパーティーCookieを使用して、自社広告を掲載しているWebサイトで、エンドユーザーのWebブラウザの履歴にアクセスできる。
ファーストパーティーCookieの例には以下がある。
- セッションCookie
- エンドユーザーがWebサイトを閲覧している間のみ、ユーザーデータを保存するCookie。エンドユーザーがWebブラウザを閉じると消去される。
- これにより、エンドユーザーは訪問する各Webサイトで再認証する必要がなくなる。
- 永続的なCookie
- 情報を追跡・収集し、エンドユーザーがWebサイトを離れた後もエンドユーザーのコンピュータに残るCookie。有効期限が切れた後は自動的に削除される。
- デジタルマーケターはWebサイトでエンドユーザーの検索履歴のプロファイルを作成し、関連する製品やコンテンツをレコメンドできる。
次回はトラッキングピクセルとCookieの違いを比較する。
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