人材採用で「ChatGPT」を使い倒す8つの活用術とAI特有の“落とし穴”:採用担当者泣かせの“あの業務”を効率化
人材採用にかかる時間と費用を削減するには、ChatGPTをどのように活用すればいいのか。注意点と共に、採用業務の効率化につながる8つの具体的な活用術を紹介する。
人工知能(AI)技術ベンダーOpenAIが提供するAIチャットbot「ChatGPT」は、企業の人材採用にかかる時間の削減に役立つ。ただしAI技術特有の課題もあるため、注意が必要だ。どのような業務で活用できるのかを、注意点と共に紹介しよう。
8つの活用術とAI特有の“落とし穴”とは?
1.求職者に求めるスキルの明確化
採用担当者は採用活動を始める前、職務に必要なスキルを明確にしておく必要がある。IT関連の調査会社ValoirのCEO、レベッカ・ウェッタマン氏は「従業員の入れ替わりやスキルのニーズの変化が激しい現代は、企業が従業員のスキルを継続的に把握することは難しく、費用対効果が見合わない場合がある」と指摘する。
ウェッタマン氏は「ChatGPTは、特定の職務に必要なスキルの内容を要約、分類、更新するのに役立つ」と話す。採用担当者はスキルギャップ(企業が従業員に求めるスキルと従業員が実際に持っているスキルの差)を特定し、求職者に求めるスキルを具体化できる。
2.求人広告の作成
ChatGPTは企業の採用要件に沿った求人広告を作成するのにも役立つと、IT関連の人材採用会社VIQUのマネージングディレクターであるマット・コリングウッド氏は主張する。同社はChatGPTを活用して求人広告を作成したところ、顧客企業からの反発や修正依頼が減少したという。
ただし、求人広告は入力する情報の質に依存するともコリングウッド氏は指摘する。採用担当者が不適切な情報を入力すると、望ましくない求人広告になりかねない。
3.人材データベースの検索
ChatGPTを使うことで、最適な候補者を効率的に見つけられるようになる可能性がある。コリングウッド氏は「ChatGPTによって、候補者の選定にかかる時間を節約できる」と述べる。
データベースから候補者を検索するために、高度な検索方法を学ぶことは骨が折れる業務だ。ChatGPTはそうした検索を支援し、採用担当者の負担を軽減できる。
4.面接用質問の作成
ChatGPTは求人情報を基に、特定の職種に向けた質問を作成できる。例えば「あなたがこの技術をうまく活用できた例を挙げてください」といった能力を測る質問だ。コリンクウッド氏は「VIQUの顧客企業は、ChatGPTが作成した特定のスキルに関する質問が役立つと感じている」と主張する。
5.履歴書の要約
履歴書を整理するのは時間がかかる作業だ。「ChatGPTは履歴書の要約にも使用できる」とウェッタマン氏は述べる。ただしChatGPTをはじめとするAIチャットbotの回答には、偏見が含まれる恐れがあるため、最終的には採用担当者自身が判断すべきだ。
6.専門人材の発掘
ChatGPTは、専門的なスキルや経験を有する求職者を探している採用担当者の負担を軽減できる。技術出版物の著者や、知的財産を有する人を採用候補者として挙げることをウェッタマン氏は活用例に挙げる。
ウェッタマン氏は「特定のスキルセットを持つ人材を採用する場合、ChatGPTなら何千点もの技術出版物から候補者を見つけることが可能だ」と説明する。
7.面接記録の要約
採用担当者は各候補者を思い出すために、面接の記録を読み返すことがある。ChatGPTはそうした面接の記録を要約して提供できるため、採用担当者が読み返すのにかかる時間を減らせる。
「要約は、AI技術の他の使用例と比べてリスクが少ない」と、IT関連のコンサルティング会社West Monroeの最高人事責任者であるターニャ・ムーア氏は述べる。「AI技術を試してみたい採用担当者にとって、ChatGPTによる要約は最初に取り組みやすい」と同氏は話す。
8.採用市場の動向分析
ChatGPTは採用市場の動向も収集できる。例えば、特定の職種を募集している企業や求人広告が使用している職位名などの情報を集めることが可能だ。ただし学有益な情報を得るためには、「求めている人物像」を明確にしておく必要があるとムーア氏は指摘する。
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