年収1600万円も狙える「データサイエンティスト」の“スキル習得術5選”:データサイエンティストを目指す方法【後編】
企業に求められるデータサイエンティストになるには、さまざまなスキルの習得が必要だ。どのような教育を受ければよいのか。コストや時間はどれほどかかるのか。5つの習得術を紹介する。
データに基づく意思決定の必要性が高まる中、データサイエンティストの求人は増え続ける見通しだ。米国労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics)によると、2023年5月時点の平均年収は10万8020ドル(約1623万円)に及ぶ。そうした“引っ張りだこ”のデータサイエンティストになるためには、さまざまな技術的なスキルの習得が必要だ。どのような教育を受ければよいのか。
データサイエンスの“スキル習得術5選”
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1.学位を取得する
米国労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics)によると、データサイエンティストになるには、少なくとも学士号が必要になる。データサイエンティストと関連がある学問分野は、数学や統計学、コンピュータサイエンス、ビジネス、工学だ。これらの分野の学位がなくても、特定の業界での経験や認定資格などがあれば、データサイエンティストとして採用される可能性がある。
上級職には修士号や博士号が求められる場合があるが必須ではない。修士号以上の学位を取得していると専門性を示すことができ、他の候補者と差別化を図ることができる。学士以上の学位の取得を目指すのであれば、上長に相談し、継続教育(義務教育を終えた人を対象にした教育)を受けるために必要なコストを負担してもらうことを検討するのも一つの手だ。
2.認定資格を取得する
学位の取得以外にも、オンラインコースを受講したり、認定資格を取得したりしてデータサイエンスのスキルを学ぶことができる。データサイエンティストを目指す人向けに入門レベルや基礎的な認定資格だけではなく、特定のスキルや専門的な技術を対象にしたものもある。
Amazon Web Services(AWS)は、データエンジニアがクラウドサービスや機械学習などの技術を学ぶための認定資格を提供している。MicrosoftやGoogle Cloudも同様だ。
認定資格は、特定のクラウドサービスに関する基礎知識を強化するのに役立つ。組織がそのクラウドサービスを使用している場合は特に有用だ。データサイエンスに初めて触れる場合は、特定のクラウドサービスを対象にする前に、より一般的なコースを受講することを検討するとよい。
全コースを受講することなく、特定のスキルを学ぶために個別のコースを受講することもできる。オンラインコースには無料または有料のオプションに加え、他の前提条件が受講者に対して求められる場合もある。例えば、DataCampが提供する同名サービスは、大規模公開オンライン講座(MOOC)を提供している。データサイエンスの基礎から高度なスキルまで、個人向けのさまざまなコースもある。
学位取得と同様の内容をより短期間で集中的に実施するブートキャンプもある。受講期間が数週間のものもあり、転職を考えている人やスキルを迅速に習得したい人に適している。
いずれの方法を選ぶ場合でも、自身の状況を考慮することが重要だ。キャリア形成に適した選択肢を見極め、信頼できる機関が提供するプログラムを探し、履歴書に反映できる実用的な指導を受けられるかどうかを確認する。コストの確認も大切だ。学位取得やブートキャンプの参加には数千ドルかかる場合がある。
3.ポートフォリオを作成する
自身のスキルや過去の実績を分かりやすくまとめたポートフォリオを作成することも一考だ。
応募した職種と関連性の高い情報を記載するようにする。具体的な事例に対して、どのような洞察を提供したか、その結果どのような成果を得られたか、その実績を記載する。全ての実績を記載する必要はない。
応募した職種や業種での経験がない場合、ポートフォリオは特に重要だ。学位取得やブートキャンプに参加した経験も記述しておく。他の役割でデータを使用して意思決定をした実績があれば、その内容を含めるとよい。
ソースコード共有サービス「GitHub」ではデータサイエンスのポートフォリオを作成することができ、公開リポジトリ(保管場所)もある。ポートフォリオを記載した個人のWebサイトを作成し、履歴書にURLを貼り付け、採用担当者がアクセスできるようにするのも一つの手だ。
4.コミュニティーに参加する
データサイエンスは急速に進化する分野だ。新しい技術やベストプラクティスに追い付くために、データサイエンスのコミュニティーに参加する。SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)でその専門分野で権威がある人をフォローし、話題にしているトレンドやトピックに触れるとよい。一歩進んで、他のユーザーと交流したり、自分の考えを発信したりすることも可能だ。
ビジネス向けSNS「LinkedIn」を使用すれば、ブートキャンプやインターンシップで出会ったデータサイエンティスト志望者とつながることもできる。誰とつながるかを見極めることが重要であり、信頼できる人とネットワークを築くことが望ましい。
企業がLinkedInを使って求人をする可能性もある。自身が採用する立場になった時は、LinkedInに求人を投稿して、他のデータサイエンティスト志望者に恩返しすることもできる。
オンラインでつながりを持つことは、自身のキャリア形成を進展させるだけでなく、他者から学び、知識を共有し、より強力なデータサイエンス業界の発展に貢献することを意味する。
5.インターンシップを探す
実社会での経験は有用だ。企業内でどのような成果を挙げられたかを示すことができれば、採用担当者の注意を引くことができる。学生であれば、インターンシップを探すとよい。
働いた経験がある場合、エントリーレベルの仕事やパートタイムの役割を探すのもよい。学生の場合は、専門的な経験を積める機会があるかを大学に確認するのが望ましい。
データサイエンスに特化した経験が乏しくても、関連したスキルを職場や学校で自身の知見をどのように応用したかを示すことも有用だ。データサイエンティストの役割と責任を理解していることを示すことができる。
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