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“JavaScript代替”としては忘れられた「Dart」が再浮上してきた理由見直すべきDartの価値【前編】(1/2 ページ)

Dartについて「すでに廃れた言語」だという印象を持っている開発者もいるが、実際には学ぶ価値がある。Dartが時代遅れではなく、これから有用な言語になり得る理由を解説する。

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 「Dart」は、Googleが2011年に開発者コミュニティー向けに初めて公開したプログラミング言語だ。もともとDartは、Webアプリケーション開発に用いられる「JavaScript」の代替を目指すプログラミング言語として開発された。当初はその期待とは裏腹に、広く普及することはなかった。だがその後Dartは、改めて開発者にとって“学ぶ価値がある言語”だと見られる存在になりつつある。

「Dart」が見直されたきっかけ

 GoogleはDartの将来性に大きな期待を寄せ、自社が開発する次世代OS「Fuchsia」の基幹言語として採用している。

 Dartは初期こそ一定の成功を収めた。背景には、Webブラウザによるネイティブなサポートがあったことが大きく、その結果、JavaScriptにコンパイルする必要性は次第に薄れていった。しかしその後、Dartの普及はそれほど進まなかった。

 フリーランス向けオンラインプラットフォームの「Codementor」が2018年に実施した調査では、回答者の一部が「Dartの習得は避けた方がよい」と考えていることが明らかになった。その理由として、コミュニティーの支援体制が整っていないことや、Dartを扱う求人が少ないことが挙げられている。

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Flutterが人気上位にランクイン

 その後、Googleが発表したオープンソースのUI(ユーザーインタフェース)フレームワーク「Flutter」が状況を一変させた。Flutterは、Dartで書かれたソースコードをネイティブコード(コンピュータが直接実行できるコード)にコンパイルするよう設計されており、Dartを学ぶ価値を再認識させる存在となった。

 その影響もあり、開発者向けQ&Aサイト「Stack Overflow」が実施した調査では、Flutterは2020年時点で人気上位にランクインする開発フレームワークとなっている。近年、企業がAndroidおよびiOS向けのモバイルアプリケーション開発を活発に進めていることも、Dartへの関心を高める要因となっている。

 Dartは「Android」や「iOS」、「Windows」や「macOS」を含むさまざまなプラットフォームで動作するように最適化されたプログラミング言語として、改めて注目を集めている。


 次回は、Dartの言語としての特性に焦点を当て、開発者にとって学ぶ価値がある言語としてDartが改めて評価される理由を解説する。

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