AndroidスマホやiPhoneの「バッテリー」を長持ちさせる具体的な方法:スマートフォン「バッテリー駆動時間」問題の傾向と対策【後編】
「Android」スマートフォンや「iPhone」のバッテリー駆動時間を可能な限り延ばすには、どうすればよいのか。機種変更をしなくても、運用の工夫でバッテリーの持ちを改善することはできる。具体策を紹介しよう。
OSとしてGoogleの「Android」を備えるスマートフォンにしても、Appleの「iOS」を備えるスマートフォン「iPhone」にしても、バッテリー駆動時間の重要性は変わらない。従業員のスマートフォンが外出先で頻繁にバッテリー切れになるようだと、生産性に影響しかねない。スマートフォンのバッテリー駆動時間を最大限に延ばすことは、IT部門が注視すべき課題となっている。
スマートフォンの「バッテリーの持ち」を改善する方法
スマートフォンのバッテリー駆動時間を可能な限り長くするために、IT部門が打てる対策は幾つかある。その中心となるのが、スマートフォンの電力消費を最適化するポリシーの適用だ。ただしBYOD(私物デバイスの業務利用)を採用する場合、私物スマートフォンを業務で利用する従業員が、厳格な電力管理を快く思わない可能性がある。従業員から同意を得た上で、省電力ポリシーを適用するのが賢明だ。
IT部門は、スマートフォンのバッテリー駆動時間に関する問題に対処するために、以下の対策を講じることができる。
- 不要なインストール済みアプリケーションを削除する
- 業務に必要のない場合、位置情報サービスを無効にする
- GPS(全地球測位システム)によるナビゲーションなど、必ずしも業務アプリケーションではないものの、位置情報サービスを使ったアプリケーションを頻用している従業員がいる場合は、配慮が必要になる。
- 動画アプリケーションなど、ハードウェアリソースを大量に消費するアプリケーションを、より電力効率のよい代替アプリケーションに置き換える
- 必要不可欠なアプリケーションを除き、バックグラウンドでのアプリケーション更新を無効にするか、制限する
- メールクライアントがバックグラウンドでメールボックスを頻繁に更新する場合は、これを無効にして、従業員に手動でのメールボックス更新を求める
- 自動的にディスプレイをオフにするまでの時間を短縮し、数秒間操作がない場合にスマートフォンをロックする
- 会社所有のスマートフォンについては、承認済みアプリケーションを許可リスト(ホワイトリスト)に登録し、他のアプリケーションを全てブロックする
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従業員に周知すべきスマートフォンバッテリー管理のベストプラクティス
スマートフォンのバッテリー駆動時間は、従業員の行動に大きく左右される。意外なアプリケーションや設定が、かなりの電力を消費していることがある。バッテリー駆動時間を長くするために、スマートフォンで使用するアプリケーションや設定に注意を払うよう、従業員に促す必要がある。
小さな習慣が、バッテリー駆動時間に大きな違いを生むことになる。熱によるバッテリー問題を避けるため、従業員にはスマートフォンを充電する前や、暑い場所に持っていくときに、保護ケースを外すことを推奨しよう。バッテリーへの負荷を軽減するため、充電は80%程度で終えることをアドバイスするとよい。
IT部門は、バッテリー寿命を延ばすベストプラクティスに従業員が従うように、以下のヒントを共有すべきだ。
- ディスプレイ設定でダークモード(画面を全体的に暗めにする表示設定)を有効にする
- 低電力モード(CPUやアプリケーションの動作を制限する機能)を使用する
- ディスプレイの明るさが適切になるように調整する
- 充電サイクルを注意深く管理し、目安としてバッテリーを常に20%から80%の間に保つことを目指す
- スマートフォンの温度管理に努める
- グラフィックスを多用するアプリケーションの使用を最小限に抑える
- 不要なバックグラウンド処理や同期を制限する
- 不要なプッシュ通知(アプリケーションが自動的に受信する通知)をオフにする
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