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AI時代の“影の代償” 広がるデータセンターと環境への負荷データセンターが求める資源【後編】

近年増え続けているデータセンターは大量の土地やエネルギーを必要とし、環境に深刻な被害を与える可能性がある。環境にやさしいデータセンターはどうやって作れるのか。

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人工知能 | データセンター | インフラ


 AIの利用が広がっている中、データセンターの拡張や新設が相次ぎ、データセンターが必要とする土地と電力の需要も高まりつつある。データセンターは環境にどのような影響を与えるのか。より環境にやさしいデータセンターを作るには、どうすればいいのか。

環境にやさしいデータセンターが作れる「意外な場所」

 データセンターの土地取得と建設は、環境にさまざまな悪影響を及ぼしている。具体的には、以下を挙げられる。

炭素排出量の増加

 データセンターは、建設や運営にエネルギーが必要になるため、温室効果ガスの排出を増加させる。太陽光パネルなどを使った再生可能エネルギーを利用すれば、炭素排出量を減らせるが、大規模なデータセンターの場合、再生可能エネルギーだけによる運営は困難だと考えられる。

生息地の喪失

 データセンターが建設されれば、森林伐採などによって生息地の喪失につながる恐れがある。森林は大気を浄化する効果があるので、伐採されれば、炭素排出量の増加を招きかねない。農地をデータセンター用地に転換する場合、食料生産が減少する可能性がある。

土壌侵食や雨水流出の問題

 データセンター建設によって草原や湿布がなくなり、土壌侵食が発生しやすくなると考えられる。データセンター建設による土地の変化が自然の水流を変え、雨水の流出に問題を生じさせるといった影響も想定される。

求められる解決策

 これらの問題を解決するために、どうすればいいのか。データセンター建設に当たり、以下のことを実現すれば、環境への悪影響を減らせる可能性がある。

建設地の規制

 地方自治体が土地利用の規制を再考し、例えば国立公園周辺の土地においてデータセンター建設を禁止することが重要だ。データセンター建設を許可する前に、地域社会の意見に耳を傾けることも欠かせない。

都市型データセンター

 データセンターは通常、都会から離れた、土地価格が安い場所で建設されるが、環境への影響を考えると、都市型データセンターの建設も検討すべきだ。都市型データセンターは費用面でデメリットが生じるが、ユーザー企業に近い場所でシステムを運用してレイテンシー(遅延)を減らすなど、メリットも考えられる。将来は地下や水中にデータセンターが建設される可能性もある。

持続可能性の追求

 持続可能な建設方法に加え、オフグリッド電力(独立した電力供給)や持続可能な水管理技術を使用すれば、より環境にやさしいデータセンターづくりにつなげられる。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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