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中堅・中小企業で進む「兼任情シス」化 ノークリサーチが実態を調査人手不足が生む“情シスの孤立”

ノークリサーチの調査によると、中堅・中小企業ではIT担当者の専任配置が難しくなり、他業務との兼任が増加している。IT人材不足を背景に、一人情シス体制も拡大傾向にあるという。

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 IT人材不足を背景に、中堅・中小企業で「一人情シス」の割合が増えている――。調査会社ノークリサーチは2025年10月14日、全国800社の企業(全業種、全年商)を対象にした、IT運用に関する調査レポートを発表した。中堅・中小企業の一人情シスはどのくらい増加しているのか。

人材不足の影響が深刻化 期待される解決策は

 「2025年版DX&AIソリューションの導入パターン類型化と訴求策の提言レポート増補版」は、ノークリサーチが2025年5月に実施した調査の結果をまとめたものだ。同調査では、経営層やIT担当者に、ITの導入や運用に関する課題を聞いた。

 調査結果によると、年商500億円未満の中堅・中小企業における一人情シス(情報システムを担当する人が一人という体制)は2025年、全体の24.5%だった。2023年調査の21.3%からやや増えた形だ。一方で、「2〜5人」「6〜9人」「10人以上」の割合は全て減少した。IT人材不足が深刻化し、中堅・中小企業のIT現場では人手が足りなくなりつつある。そうした中、IT担当の専任が減り、兼任が増えているとノークリサーチは説明する。

 近年、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む一方で、情報システム部門は既存システムの維持とITを取り入れた新たなビジネス施策の対応が重なり、負荷が高まっている。ノークリサーチによると、人材不足のため、中堅・中小企業のIT担当者が特に課題として認識しているのは「既存システムの管理/運用で手一杯」で、DXに取り組む余裕がないことだ。DXに取り組んでも「業務フローを変更すると逆に効率が下がる」ことも課題になっている同社は指摘する。

 編集部では、IT人材不足の対策として、AIを利用したシステム運用管理の自動化に注目している。自動化ツールを採用すれば、IT担当者の負荷を軽減するとともに、DXに本格的に取り組むための体制づくりも可能になると考えられる。

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