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Microsoft「Copilot Studio lite」でAIエージェント構築はさらに簡単に「市民開発」の加速化に一翼

MicrosoftはAIエージェント構築ツールの簡易版「Copilot Studio lite」を2025年10月に公開した。同類のツールが乱立する中、同社はどう差異化を図ろうとしているのか。

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 OpenAIやZapier、MindStudio、Salesforceなどのベンダーが提供するAI(人工知能)エージェント構築ツールは、プロンプト(指示)を入力してツールにAIエージェントを作らせることができる、これによって、高度な開発知識を持たない従業員でもAIエージェントを構築して業務の自動化を図れる。

 Microsoftも2024年に「Microsoft Copilot Studio」を投入し、AIエージェント構築ツールの市場に参入した。Microsoft Copilot Studioはチャットbot型ツールで、大規模言語モデル(LLM)を搭載した業務支援ツール「Copilot for Microsoft 365」の機能カスタマイズやプラグイン開発を、ローコード(最小限のソースコード記述)で実行できる。

 2025年10月、MicrosoftはCopilot Studioの“軽量版”「Copilot Studio lite」を公開した。AIエージェントをより簡単に構築できるようにしているという。Copilot Studio liteはどのようなものなのか。

Copilot Studio liteの特徴と、投入の背景

 Copilot Studio liteは、「宣言型エージェント」を作るためのツールだ。宣言型エージェントとは、エンドユーザーが「したいこと」を自然言語で説明(宣言)することによって、Microsoft 365 Copilotの機能カスタマイズを可能にする仕組みを指す。Copilot Studio liteはCopilot Studioほど高度な自動化はできないが、日常的な業務を従業員が自ら効率化することを容易にするとMicrosoftは説明する。

 MicrosoftはCopilot Studio liteに加え、Web会議ツール「Microsoft Teams」や社内ポータルサイト構築ツール「Microsoft SharePoint」でのタスク実行を自動化するエージェント機能「Workflows」、アプリケーション作成ツール「App Builder」も公開した。調査会社Gartnerのアナリスト、ジェイソン・ウォン氏は「Microsoftはこうしたさまざまなツールの組み合わせによって、他のAIエージェント構築ツールベンダーとの差異化を図っている」と述べる。

 Microsoftは以前から、「Power Apps」や「Power Automate」といった、ローコードの自動化ツールを提供してきた。しかしこれらのツールは主に開発者向けのものであり、IT部門による事前設定やある程度の専門知識が必要だ。ウォン氏によると、Copilot Studio liteやWorkflowsの投入によって、一般従業員も開発できる「市民開発」が加速化する可能性がある。

 Microsoftのローコード/エージェントマーケティング担当ゼネラルマネジャー、リチャード・ライリー氏は、「AIエージェント構築ツールは、オフィスソフトウェアの必須機能になっている」と語る。ベンダーの競争力は、はAIエージェントの構築能力そのものではなく、付随するツールによって決まると同氏は説明する。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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