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新しいデータ保護ツール「Veeam Data Platform v13」 どんな機能があるの?脅威の巧妙化に対抗

Veeam Softwareは、脅威検出やAIアシスタントの機能を強化したデータ保護ツール新バージョン「Veeam Data Platform v13」を投入した。何ができるかを、専門家の見解とともに説明する。

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 バックアップベンダーVeeam Softwareは2025年11月19日(太平洋時間)、データ保護ツールの新バージョン「Veeam Data Platform v13」をリリースした。AI(人工知能)を活用して防御力を高められるようにしているという。ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃をはじめとした脅威が巧妙化している中、Veeam Data Platform v13を使えば、データをどのように守れるのか。新バージョンの主な機能を解説する。

Veeam Data Platform v13の機能とアナリストの見解

 Veeam Data Platform v13には、マルウェアといった脅威の検出ツール「Recon Scanner」の最新版「Recon Scanner 3.0」が含まれる。Recon Scanner 3.0はバックアップデータへの侵害の兆候を特定し、重要度を付けてアラートを発する。セキュリティ担当者は重要度をみて、優先順位を付けた上、効率よく対策を講じられるようになるという。

 調査会社IDCのアナリスト、ジョニー・ユー氏はRecon Scanner 3.0について、IT運用部門とセキュリティ運用部門の連携を助けるという点で「ユーザー企業のニーズに合っている」と評価する。Futurum Groupのアナリストを務めるラス・フェローズ氏は、「ユーザー企業にとって、いかにデータを保護するかが最優先事項だ」と指摘する。

 Recon Scanner 3.0は、Veeam SoftwareのAI機能「Veeam Intelligence」も採用している。Veeam Intelligenceには「無効」「Basic」「Advanced」の3つのモードがある。Basicモードは、Veeam Softwareの独自情報と公開情報を分析し、ユーザーの質問に回答する。Advancedモードは、高度な監視や分析のツールを用い、バックアップインフラに関する詳細なデータをリアルタイムに提供する。

 フェローズ氏はAI機能の採用について、「ユーザー企業にとって価値はあるが、ベンダーがそれを安全かつ確実に製品に導入し、ユーザー企業が使いこなせるようにすることの方が重要だ」と強調する。

 Recon Scanner 3.0とVeeam Intelligenceに加え、Veeam Data Platform v13は以下の機能を備えている。

  • 最小権限アクセスを強制するロールベースのアクセス制御
  • 「Windows」向けの継続的データ保護(CDP)
    • CDPとは、常にデータをバックアップし、障害が発生した際、任意の時点の状態に復旧できる仕組みを指す。
  • ハイパーコンバージドインフラ(HCI)用OS「Scale Computing HyperCore」を含む、仮想マシンを管理するためのハイパーバイザー向けデータ保護
  • Webブラウザベースのユーザーインタフェース(UI)
    • 非Windowsユーザー向けにインフラ要件を減らす。
  • データ保護ソフトウェアアプライアンス「Veeam Software Appliance」(VSA)のクラスター構成
    • 可用性を高めるとともに、システム停止のリスクを軽減する。

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