【候補者の実務能力を見抜く】「エンジニア採用面接質問集」ネットワーク編:エンジニアの採用や育成を迅速化
人手は不足しているものの、いざ採用面接の段になって、IT部門側が候補者のスキルや知識を十分に理解しきれるか不安を感じる場合がある。こうした状況に備えて使える質問例を紹介する。
AIの台頭、DXの推進、SaaSの多様化と、企業のIT部門に求められる知識や役割は高度化している。これからのIT部門をリードする人材を”確実に採用したい”採用担当者に、面接時、採用候補者の実務能力を見極めるために使える質問例を贈る。今回は、ネットワーク編だ。
想定する質問者:現場のスキル不足に悩み、即戦力を採用したいIT部門の部長、技術的な知識は持たないが意思決定権を持つ経営層
質問の前提となる資格:CCNA (Cisco Certified Network Associate)
関連用語:IPアドレス、ネットワークアドレス変換(Network Address Translation:NAT)、DHCP(デバイスのIPアドレス管理を自動化する仕組み)、IPv6(IPアドレスのバージョン)
質問
「弊社で従業員が使うPCやスマートフォンの数が200台になりました。しかし、インターネットサービスプロバイダー(ISP)から割り当てられているIPアドレスは1つだけです。1つのIPアドレスを使って、社内の200台すべてのデバイスが同時に問題なく外部のWebサイトにアクセスできるようにするために必要な、ネットワーク上の仕組みは何ですか?その仕組みがなぜ、どのように機能するのかも合わせて説明してください」
どんな答えはNG?
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NGな回答例:
「DHCPを使ってIPアドレスを配布すれば解決します。また、IPv6を使えばアドレス不足は起きません」
よい回答例:
「この問題の解決に不可欠な技術は、NATです。社内ネットワークでは、外部から利用できない『プライベートIPアドレス』を使用しますが、外部のインターネットに接続する際には、ISPから提供された公共のIPアドレスが必要です。ネットワークが共有するために単一の公共アドレスを許可するスキームであるNATを使えば、ISPから割り当てられた1つのIPアドレスを使って複数の内部デバイスが同時に外部のインターネットに接続できます。NATのおかげで、1つのIPアドレスで、社内の200台のデバイスが同時にインターネットに接続できます」
NGな回答例の要注意ポイント:
NGな回答例の回答者は、IPアドレスの共有で生じる問題を解決するための核となる技術を特定できていません。DHCPは、IPアドレスの共有とは直接関係がない技術です。IPv6は膨大なアドレス空間を持っており、アドレス不足は原理的に起きません。しかし、この企業で割り当てられているIPアドレスはIPv4のIPアドレスが割り当てられている可能性がある中で、IPv6が使えるとは限りません。
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