【メール文面お届け】Adobeの欠陥「CVE-2025-61809」 これで対策依頼:脆弱性情報の社内通知
セキュリティアラートが発せられたとき、社内で情報を共有するにはどうすればいいのか。Adobe製品の具体的な脆弱性を取り上げ、社内通知用のメール文面を作成した。
サイバー攻撃が猛威を振るっている中、大半の攻撃の入口になるのは、標的企業のシステムの脆弱(ぜいじゃく)性だ。自社でのシステムの誤設定といった問題だけではなく、ITベンダーの製品に存在する脆弱性もいち早く把握し、対策を講じなければならない。
日本で脆弱性情報をはじめとしたセキュリティアラートを出しているのは、情報処理推進機構(IPA)やJPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)などのセキュリティ機関だ。企業のセキュリティ担当者はこれらのアラートをチェックし、対応が必要と判断した場合、関連情報を社内に通知することが求められる。
本稿は、IPAが2025年12月11日に公開したAdobeのアプリケーションサーバ「Adobe ColdFusion」の脆弱性「CVE-2025-61809」(入力検証不備の脆弱性)を取り上げ、社内向け対応依頼メールの文面をお届けする。最後に、社内通知のポイントも紹介する。
「そのまま使える」CVE-2025-61809注意喚起の文面
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セキュリティアラートの社内通知
件名
【重要】IPAセキュリティアラート(Adobe ColdFusion脆弱性:CVE-2025-61809)対応のお願い
本文
関係者各位
お疲れ様です。情報システム部セキュリティ担当です。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)より、アプリケーションサーバ「Adobe ColdFusion」に重大な脆弱性「CVE-2025-61809」に関する注意喚起が公表されましたので、ご案内します。該当するシステムを運用している部門・担当者は、速やかに以下の対応をお願いいたします。
- 概要
IPAによると、Adobe ColdFusionに入力検証不備の脆弱性CVE-2025-61809が確認されており、悪用された場合、攻撃者によってセキュリティ機能が回避される可能性があるとのことです。今後被害が拡大する恐れがあるため、早急な対策が必要とされています。
対象となるAdobe ColdFusionのバージョンは以下の通りです。
「Adobe ColdFusion 2025 Update 4」およびそれ以前
「Adobe ColdFusion 2023 Update 16」およびそれ以前
「Adobe ColdFusion 2021 Update 22」およびそれ以前
- 対策
影響を受けるシステムを運用している部門・担当者は、直ちに以下の対応を実施してください。
1. 修正プログラムを適用(アップデート)
ベンダーが提供する最新版へアップデートを行ってください。
対応バージョン(例):
「Adobe ColdFusion 2025 Update 5」
「Adobe ColdFusion 2023 Update 17」
「Adobe ColdFusion 2021 Update 23」
2. 社内システムの確認と対応完了報告
対象システムのバージョン確認およびアップデート対応を実施し、指定期日までにセキュリティ担当まで完了報告をお願いします。
- 参考情報
詳細については、IPAの公式ページをご確認ください。
本件は放置すると重大インシデントのリスクとなるため、該当する全システムで確実な対応をお願いします。
ご不明点があれば情報システム部セキュリティ担当までお問い合わせください。
よろしくお願いいたします。
情報システム部
(担当:セキュリティチーム)
社内通知のポイント
- メールの冒頭では、IPAやJPCERT/CCが出している具体的な脆弱性の説明や、(あれば)攻撃事例を簡潔に記載する
- URLは必ず、IPAやJPCERT/CC、ITベンダーの公式ページをリンクする
- 件名に「重要」や「注意喚起」と入れると、開封率が上がる可能性がある
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