さようならWindows 10、goo、Skype…… 2025年に終了した技術たち:ITの「転換点」を総括
2025年はWindows 10をはじめ、gooやSkypeなど、一時代を築いた技術やサービスが次々と消えた年だった。これは単に「終了」を意味するだけではない。激動の1年を振り返りつつ、残存リスクと今後の対策を点検する。
2025年は、企業ITにとって象徴的な「区切りの年」になった。「Windows 10」のサポート終了をはじめ、標準として慣れ親しんできたOSやWebサービスが相次いでその役割を終えたからだ。新しい技術の導入よりも、古くなったインフラの「後始末」に労力を割いた1年だったというIT管理者もいるはずだ。同時に、「goo」や「Skype」といった、かつては業務の隙間を埋めてくれていた無料サービスも姿を消した。
OSやツールの「延命」におけるリスクと管理コストは、高度化するサイバー攻撃やクラウドサービス利用を前にして、許容範囲を超えつつある。本稿は、2025年に終了した技術やサービスを振り返りながら、情シスが直面した、あるいは今も抱えている課題を再点検する。
10月14日の「悲鳴」――Windows 10のサポート終了
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終わりを迎えたツール
2025年10月14日、Windows 10の公式サポートが終了した。2015年の公開から10年にわたって、企業PCの標準として業務を支えてきたOSが退場したのだ。
「Windows 11」へのリプレースが完了している企業であっても、実務レベルでは課題も残る。オフィスアプリケーション群「Microsoft 365 Apps」は2028年10月までWindows 10でのサポートが継続されるが、これはあくまでアプリケーション層の話であり、OS自体の脆弱(ぜいじゃく)性に起因するリスクが解消されるわけではない。
「拡張セキュリティ更新プログラム」(ESU)を利用して延命措置を取っているPCや、オフラインで稼働を続けるPCなど、「移行し切れなかった資産」をどう管理するかが、2026年以降のセキュリティガバナンスの焦点になる。
Webサービスの再編と統合――goo、Skype、LINE Pay
2025年は、日本のインターネットを黎明(れいめい)期から支えてきたWebサービスやアプリケーションが去った年でもあった。
特筆すべき事項は、1997年から日本のインターネットシーンを支えてきたgooブランドのサービス縮小だ。2025年6月の「gooニュース」「goo辞書」終了に続き、同年11月には「gooブログ」「gooポータル」が終了し、「dメニュー」などのNTTドコモ関連サービスに集約された。これは、PC版Webブラウザを起点とした「ポータルサイト」の時代から、モバイルデバイスとモバイルアプリケーションを中心としたサービスに主役が移行したことを裏付けている。
2025年4月30日には決済サービス「LINE Pay」国内版が「PayPay」に、同年5月5日にはSkypeの個人版が「Microsoft Teams」に統合された。企業にとっては、管理外のコミュニケーションツールや決済手段など、「シャドーIT」になり得る選択肢が減り、大手サービスへの集約が進んだ形だ。これは統制の観点からは歓迎すべき変化だが、従業員が利用するツールの代替手段を、公式にどう整備し直すかが問われている状況でもある。
「物理媒体」の終わり――磁気テープ、健康保険証
物理メディアへの依存も限界を迎えた。2024年末の新規発行停止を経て、2025年12月2日に健康保険証が失効(「マイナ保険証」に移行)したことは記憶に新しいが、データ保存の領域でも変化が起きている。
UNESCO(国際連合教育科学文化機関)が2019年に警告した「Magnetic Tape Alert」は2025年に期限を迎える。これはVHSなどの磁気テープ媒体が、2025年ごろに劣化の限界を迎え、再生機器も入手困難になるという問題だ。事実、VHSデッキの国内生産は2016年に終了している。企業アーカイブとして保管されていた物理メディアのデジタル化と廃棄ルール策定は、2025年中に決着をつけるべき課題だったと言える。
「2025年の崖」を飛び越えられたか
2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」は、レガシーシステムを刷新できなければ、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じるという「2025年の崖」を企業に突きつけた。既存システムの単なる効率化ではなく、それらを「廃棄」し、マイクロサービスやクラウドネイティブといった現代的なアーキテクチャを採用する「デジタルトランスフォーメーション」(DX)をレポートは推奨していた。2025年が終わりを迎え、その崖を越えられた企業はどれほどあるだろうか。
2025年1月31日にNTT東日本エリアでは「フレッツ・ADSL」(DSLアクセスサービス)が終了しており、2026年1月31日にはNTT西日本エリアでも提供が終了するという、別の崖がすぐ目の前に迫っている。2028年12月31日のISDN(INSネット)関連サービス全終了に向けたカウントダウンもすでに始まっている。次に来る波をどう受け止めるか。“介錯”を終えたIT管理者の次の戦いは、もう幕を開けているのだ。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。