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「CentOS Linux」終了で企業システムが直面する“崖っぷち”の真実CentOSからの移行ガイド【第1回】

2024年6月、「CentOS Linux 7」がEOL(サポート終了)を迎えた。Red Hatはなぜ「CentOS Linux」を廃止したのか。運用中の企業が直面する問題とは何か。

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 「CentOS Linux」のバージョン7(CentOS Linux 7)は、2024年6月30日にEOL(サポート終了)を迎えた。EOLは、ベンダーがセキュリティ更新や新機能の提供をやめ、それ以上開発をしなくなることだ。まだCentOS Linuxを利用している企業は、システムの迅速な更新を迫られている。CentOS Linuxの提供元であるRed Hatはなぜこの決断に至ったのか。CentOS Linuxを使っている企業は、今すぐCentOS Linuxの使用を中止しなければいけないのか。

企業はなぜ「CentOS Linux」終了の試練を迎えることになったのか

 CentOS Linuxは、Red Hatの企業向けLinuxディストリビューション(配布用パッケージ)「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)と互換性を持つ。無料で利用でき、サブスクリプションなどのライセンス契約を気にすることなくRHELの代替OSを実行する手段として、企業の支持を得ていた。

 2020年12月、CentOS Linuxを管理するRed Hatは、CentOS Linux 7の終了を発表した。この決定には以下の理由がある。

  • CentOS Linuxが無料でありながらRHELの強力な代替手段だったため、RHELの販売機会を奪っていた
  • Red Hatは、同社が手掛けるLinuxディストリビューションのうち、CentOS Linuxをダウンストリームからアップストリームとして位置付ける機会をうかがっていた
    • ダウンストリームは安定バージョン、アップストリームは新機能や変更を最初に取り入れるバージョンを指す。
  • CentOS Linuxの販売およびサポート体系の位置付けが、Red Hatとユーザー企業の間で混乱を引き起こしていた

CentOS Linux 7はEOL後も動作するのか

 EOLを迎えたことで、CentOS Linux 7が動作しなくなるというわけではない。ベンダーが新機能の追加やセキュリティの欠陥の修正、性能改善といったアップデートを実施しなくなるという意味だ。これは短期的にはさほど深刻ではないが、長期的に見れば大きなリスクだと言える。現代のサイバー脅威を考慮すると、ベンダーによる更新が停止することは、システムに対する十分な脅威になる。つまりEOL後であってもCentOS Linux 7を使い続けることはできるが、推奨されることではない。


 次回は、Red HatがCentOS Linuxの後継として提供するLinuxディストリビューション「CentOS Stream」を取り上げる。

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