「Windows離れ」が止まらない 2026年、あえてLinuxを選ぶ切実な理由:再評価されるLinuxの強み【前編】
2026年、Linuxがエンタープライズ向けワークステーションの選択肢として注目を集めている。その背景にある理由は。
オープンソースソフトウェア(OSS)のOS「Linux」は、2026年にエンタープライズ向けワークステーションの選択肢として成長が見込まれている。Linuxの市場シェアは時間をかけて緩やかに増加しており、2025年11月にStatistaが公開した調査結果によると、2023年に世界のソフトウェア開発に使用されたPC向けOSの43%をLinuxが占めていた。本稿は、2026年にLinuxがデスクトップOSとして人気を高める可能性がある理由を紹介する。
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2026年にLinuxが注目される背景
2026年、エンタープライズ向けデスクトップ市場において、Linuxが注目を集める要因は以下の通りだ。
- Windows 10のサポート終了、Windows 11の厳格なハードウェア要件、アップグレードで発生するコスト
- サーバ、クラウド、開発者向け環境でのLinuxの拡大傾向
- Linuxを前提としたハードウェアの提供拡大
- Linuxのセキュリティアップデートの改善
- ライセンス体系
- Linuxはオープンソースライセンスの「GPL」(GNU General Public License)に基づいており、無料で簡単に利用できる。オプションの有償テクニカルサポートプランを使うことで、エンタープライズLinuxワークステーション展開で総所有コスト(TCO)を低減できる。
- 拡張のしやすさ
- 制限の多いライセンスに縛られず、拡張しやすい。エンドユーザー向けに迅速に展開できる。
- Docker、Kubernetes、VMwareでLinuxが標準基盤となっている
- ChatGPT、自動運転システム、画像認識システムの大半がLinuxを採用
これら以外にもLinuxの魅力はある。
プライバシー
Linux以外のOSを使うユーザーが、ベンダーのプライバシーポリシーやテレメトリーデータ(システムからリアルタイムで集まるデータ)の収集に不満を持ったことがきっかけで、Linuxを検討するようになったという事例もある。
プライバシーを重視する企業にとって、Linuxを使うメリットは以下の通りだ。
- ユーザーが自分のプライバシーやID設定を決めることができる。
- 収集されるデータが可視化されている。
- データをどの国や地域、どのストレージに保管するかを制御しやすい。
- OSのインストール時に不要なソフトウェアが一緒にインストールされない。
環境負荷を抑えた持続可能な運用
環境負荷を抑えたIT運用を重視している企業にとって、少ないハードウェアで動作し、柔軟に設定変更できるLinuxは好ましい選択肢といえる。環境面からLinuxを利用するメリットは以下だ。
- 省エネ機能の利用
- 2025年1月に公開されたLinuxカーネル(OSの中核機能)6.13に、30行のコードを追加することでデータセンターの消費電力を最大30%削減できる機能が実装された。
- ハードウェア要件が少ない
- ベンダーの強制更新サイクルに縛られず、自社環境に合った更新時期を設定できる。
- 幅広い種類の機器を長く使える
- 強制のアップグレードや利用できるドライバの制限がないため、既存のデバイスを長く活用できる。
Linuxに乗り換えてもSaaSを継続利用できる
Linuxを導入する際、「これまで使っていたソフトウェアをLinuxでも使えるのか」という懸念を抱くユーザーもいる。Microsoftのクラウドオフィススイート「Microsoft 365」やGoogleの「Google Workspace」のユーザーであれば、これまで使っていた文書作成ソフトや表計算ソフトをLinuxで利用可能だ。
Linuxはエンジニア向けのプラットフォームとして人気を集めてきた。アプリケーションやSaaSの選択肢が充実したことで、非エンジニアも使いやすくなりつつある。
後編は、Linuxを導入する場合の流れや課題を整理する
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