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市場価値の低い情シスは淘汰される? 2026年に必須の“生き残り資格”5選クラウド、AI、統制の腕を磨く「武器」

2026年、情シスは「管理」だけでは生き残れない。経営層を説得し、予算を勝ち取るために必要な最強の資格とは何か。効率的な動画学習法と共に解説する。

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資格 | 人工知能 | セキュリティ


 2026年、企業の情報システム部門(以下、情シス)が置かれている状況は、数年前とは根本的に相いれないものとなっている。かつての情シスは「コストセンター」として、サーバの保守や端末のキッティング、ネットワークの安定稼働を主眼に置いていれば一定の評価が得られていた。しかし、現在は企業の命運を左右する「戦略的拠点」へと変貌を遂げつつある。

 2026年は、「Windows 11」への完全移行に伴う費用の増大や、AI(人工知能)の業務浸透がもたらす新たなガバナンスの欠如という課題が噴出する時期でもある。このような状況下で、情シス担当者がキャリアアップを図り、企業にとって不可欠な存在であり続けるためには、客観的なスキルの証明となる「認定資格」の取得が有効な手段となる。

 仕事の隙間時間などを生かし、資格取得のために効率よく学習できる手段が「動画」だ。本稿は、情シス担当者が多忙な業務の合間に動画学習を通じて専門知識を身に付け、かつ2026年の採用市場において高い評価を受ける「有望な認定資格5選」を、実務的な背景とキャリア形成の観点から解説する。

1.AWS Certified Solutions Architect - Professional

 Amazon Web Services(AWS)の「AWS Certified Solutions Architect - Professional」は、クラウドインフラの最適化を主導する情シス担当者にとって、価値の高い資格の一つだと言える。BroadcomによるVMwareの買収に伴うライセンス料の急騰といったことを背景に、オンプレミス回帰を検討する企業がある一方で、大半の企業ではクラウドの管理コストの低減が求められている。しかし、サーバをクラウドに載せ替える「リフト&シフト」だけでは、期待されたコスト削減効果は得られない可能性がある。ここで求められるのが、クラウドの機能を最大限に活用したアーキテクチャ設計能力だ。

 AWS Certified Solutions Architect - Professionalの保持者は、複雑なビジネス要件をAWS上のシステムに変換するプロフェッショナルと見なされる。2026年、AWSのユーザー企業の中、大半がAWSへの移行を完了させているか、移行プロセスの途上にあり、インフラの最適化が急務となっている。

 この資格を取得する過程で習得するスキルは、経営層に対して実施する「コスト削減」のプレゼンテーションに強力な説得力を与える。例えば、AWSの仮想マシンサービス「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)の単一の価格を議論するのではなく、サーバレスコンピューティングサービス「AWS Lambda」やクラウドストレージ「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)、リレーショナルデータベースエンジン「Amazon Aurora」を組み合わせた際の総所有コスト(TCO)を算出し、オンプレミス維持と比較した際の利益分岐点を提示できるようになる。

 AWS Certified Solutions Architect - Professionalは範囲が広く、ドキュメントを読み込むだけの学習では「現場の勘」が養われにくいと考えられる。効率的な学習法は、オンライン学習サイト「Udemy」などで提供されている実務型の動画講座を活用することだ。例えば、「Ultimate AWS Certified Solutions Architect Professional 2026」は、複雑なネットワーク構成やアイデンティティ管理の階層構造を視覚的に解説する3分〜5分程度の動画を組み合わせている。

2.Microsoft Certified: Azure Administrator Associate

 2026年の企業ITにおいて、クラウドサービス「Microsoft Azure」の重要性は無視できないレベルに達している。特に、日本企業でサブスクリプションサービス「Microsoft 365」が広く採用されていることから、ID・アクセス管理システム「Active Directory」(AD)のクラウドサービス版「Microsoft Entra ID」の運用能力は、情シス担当者にとって必須の基礎素養だと言える。「Microsoft Certified: Azure Administrator Associate」はこの領域における実務能力を証明する中核的な資格になる。

 Microsoft Azureは、サーバOS「Windows Server」が稼働するオンプレミスインフラとの親和性が高く、大半の企業がハイブリッドクラウド構成を採用している。Microsoft Certified: Azure Administrator Associateは、オンプレミスとクラウドのシームレスな統合、仮想ネットワークの構成、ストレージ管理、IT資源の監視とバックアップといった、情シスの日常業務の根幹を支えるスキルを証明する。

 2026年のトレンドとして、ハイブリッドクラウドにおけるセキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性を突いた攻撃が活性化している。そのため、ネットワークの境界を適切に制御し、多要素認証(MFA)を全社的に実装できるMicrosoft Azure管理者の需要は旺盛だと考えられる。

 Microsoft Azureの学習においては、日本語での解説資料が充実している点が魅力だ。特にUdemyでは、日本人講師がさまざまな講座を提供している。例えば、試験範囲を網羅しつつ、実際の操作デモンストレーションも含んだ「【世界で30万人が受講】AZ-104: Microsoft Azure Administrator 試験対策講座」がある。

3.Certified Information Systems Security Professional(CISSP)

 攻撃の高度化と、AIを悪用した攻撃手法の登場によって、2026年のセキュリティ対策は技術的な防御だけでは太刀打ちできないフェーズに突入している。情シス担当者がキャリアの階段を上り、最高情報セキュリティ責任者(CISO)といったセキュリティの管理職を目指す上で、ISC2(International Information System Security Certification Consortium)の「Certified Information Systems Security Professional」(CISSP)は避けて通れない「黄金の資格」だと言える。

 CISSPは国際的な資格で、技術的な知識だけではなく、セキュリティの設計、実装、管理、運用に関わる広範な知識を網羅している。2026年は、サイバーレジリエンス(攻撃を受けた際の回復力)のさらなる需要が見込まれており、インシデント発生時に「なぜ防げなかったのか」という事後検証をし、経営陣に対して説得力のある対策案を提示できる人材が求められている。

 CISSPの保持者は、セキュリティの幅広い分野において一定以上の知識を有することを証明できる。これによって、ネットワークエンジニアや法務部門、経営層との間を橋渡しし、企業全体のセキュリティ文化を醸成する役割を担うことが可能になる。

 CISSPの試験範囲は広大だ。そのため、短期間で全体像を把握するには、動画形式の集中トレーニングが有効になる。日本では、NRIセキュアテクノロジーズやグローバルセキュリティエキスパート(GSX)がオンラインで受講できる集中トレーニングを提供している。

4.Certified Information Systems Auditor(CISA)

 2026年、情シス部門が直面する大きな課題の一つが、ITガバナンスの形骸化だ。経営層が「AI技術を導入して生産性を上げろ」と号令をかける一方で、その投資が適切に回収されているか、あるいは隠れたリスクを生んでいないかを評価する仕組みが欠如している場合がある。ISACA(Information Systems Audit and Control Association)の「Certified Information Systems Auditor」(CISA)は、システムが健全に機能しているかを評価できる専門家としての証明になる。

 CISAは、システム開発のプロセスから日々の運用、データの保護状況に至るまで、多角的な視点から「ITの健康診断」を実施するスキルを証明する。2026年には、ESG(環境、社会、ガバナンス)への対応が企業に求められる中、IT資産の透明性を確保する役割としてのCISAの需要は高まっていると考えられる。

 情シス担当者がCISAを取得するメリットは、自部門の業務を客観的に見直せるようになる点にある。例えば、ライセンス管理やアクセス権の棚卸しを面倒な作業としてではなく、企業のリスクを最小化し、不要なコストを削減するための戦略的監査として位置付け直すことができる。

 CISA試験は理論的で抽象度の高い問題が多く、日本語での正確な理解が不可欠だ。日本で、動画解説を含めたトレーニングを提供しているのは、アビタスやNRIセキュアテクノロジーズだ。

5.Project Management Professional(PMP)

 インフラの刷新、クラウド移行、セキュリティ強化、AIモデルの構築――。情シス担当者の業務は、今やそのほとんどが「プロジェクト」という形態を採っている。しかし、プロジェクトを計画通りに完了させることは簡単ではなく、プロジェクトが失敗する場合もある。Project Management Institute(PMI)の「Project Management Professional」(PMP)は、プロジェクトを成功に導くための世界標準のフレームワークを習得していることを証明する資格だ。

 PMPは、プロジェクトの立ち上げから計画、実行、監視、終結に至るまでのプロセスを体系的に理解していることを証明する。2026年のトレンドの一つである「ハイブリッドマネジメント」は、従来の「予測型」と「適応型」を柔軟に組み合わせる手法で、PMPの試験範囲にも反映されている。

 情シス担当者はPMPを取得することで、経営層に対する実行力を証明できる。「なぜこのプロジェクトは遅れているのか」といった問いに対し、プロジェクトの進展データを分析して客観的な根拠に基づいた説明ができるようになれば、情シスとしての信頼性は高まる可能性がある。

 PMPを得るに当たり、効率が高いのは、Udemyなどの動画講座を利用することだ。例えば、英語の「PMP Exam Prep Seminar - Complete Exam Coverage with 35 PDUs」や、日本語の「『PMP認定試験』で一発合格を目指す! 効率的な試験対策のための戦略コース(2021)アジャイル対応」などがある。

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