Column
ITとビジネスの連携を促すサーベンス・オクスリー法
SOX法が成立した時、ほとんどの企業は、これは監査人と財務担当役員の問題だと考えていた。ところが実際には、CIOの積極的な関与がなければ、SOX法の順守に必要な書類を完全に整えることはできない。
CIOにとって、SOX法は戦略的な構成管理のプロセスとソリューションを実施する、またとないチャンスとなる。これらのプロセスとソリューションによって期待できる効果は、毎年のコンプライアンス監査のために必要となる手作業を減らすにとどまらない。インフラ構成の効果的な管理にかかわる問題に対応する機会ともなるのだ。したがって、IT部門は、SOX法に対応するための予算とリソースを使って一石二鳥を狙うべきだ。
何かが企業に影響を与えると、それが例えば新たな競争か、市場需要の変化か、プロセスリエンジニアリングか、政府規制かにかかわらず、企業のコンピューティングシステムの運用のあり方も影響を受けることになる。米国サーベンス・オクスリー法(SOX法)はその格好の例だ。この法律が2002年に成立した時、ほとんどの企業は、これは監査人と財務担当役員の問題だと考えていた。ところが何と、公開会社会計監督委員会(PCAOB)が2003年10月に打ち出した監査基準案(PCAOB Release No. 2003-017)では、こう明記されている。「企業の情報システムにおける情報技術の利用の性質と特徴は、企業の財務報告に関する内部統制に影響を与える」
思わぬ展開だ。となると明らかに、ITは企業経営に重要な役割を担っている。少なくとも、それが政府当局の見方だ。
それはつまり、CEO(最高経営責任者)とCFO(最高財務責任者)は、CIOの積極的な関与がなければ、SOX法の遵守に必要な書類を完全に整えることはできないということだ。だが、多くのIT担当役員にとってこれは寝耳に水の事態であり、彼らはコンプライアンス委員会にも加わっていない。また、多くのIT担当役員は対応がままならない状況にある。何年にもわたって、自社の戦術的な個別の問題を解決するための製品を買い足してきた結果、技術の運用体制が縦割りになり、コンプライアンスのための書類整備を容易にする確固たるITプロセスの構築がほとんど進んでいないためだ。
だが、ITとビジネスの連携を重視し、全社規模の構成管理やインフラマッピングのソリューションを既に購入しているか、選定中の幸運な企業は、受け身の企業よりもはるかに迅速かつ容易に法規制への対応を進めることができるだろう。こうしたツールは、コンプライアンスの鍵を握る以下の問題にすぐに答えを出してくれるからだ。
- 自社のどのコンピューティングリソースが法規制に関連しているか
- 常に変わっていく自社のインフラをいかに効果的に管理し、そうしたリソースの法規制への対応を確保していくか
こうした企業は、インフラマッピングソリューションを財務システムに適用するだけで、どのリソースが財務システムに関連しているかを詳細に示す論理トポロジマップを得ることができる。また、自動的に構成を特定する機能を利用して、変更管理プロセスが一貫して実施されるようにするとともに、それを実証する書類を作成することができる。サービスマネジメントやシステム集約プロジェクトのために、こうした技術の導入を承認したCIOは、それらをただちにコンプライアンスの取り組みに活用できる。
一方、これまで全社規模のITソリューションを考慮してこなかった企業のCIOは今、戦術的な問題を手掛かりにして、戦略的な構成管理のプロセスとソリューションを実施する、またとないチャンスを手にしている。これらのプロセスとソリューションによって期待できる効果は、毎年のコンプライアンス監査のために必要となる手作業を減らすにとどまらない。サービスレベル管理、問題解決、キャパシティ計画、パッチ管理、セキュリティ管理といった課題は、いずれもインフラ構成の効果的な管理にかかわっている。これらの問題に対応するには、SOX法が提起する上記の2つの問題と同様の問題に、答えを出さなければならない。例えば、この2つの問題の「法規制」という部分を「ビジネスサービス」に置き換えれば、サービスレベル管理の根幹をなす問題となる。したがって、IT部門は、SOX法に対応するための予算とリソースを使って一石二鳥を狙うべきだ。
もちろん、構成管理やインフラマッピングのための製品は幾つもある。例えば、コレーション、センデュラ、リライコア、トルークスなどが提供している製品や、BMCやマーキュリーが大企業向け製品ポートフォリオの一部として買収で取得して提供しているものなどがある。(この記事は2004年9月27日に掲載されたものを翻訳しました。)
本稿筆者のジャスミン・ノエル氏は、主要なIT動向とそれらへの対応を扱うアナリスト会社Ptak, Noel & Associatesの共同創業者。Hurwitz Groupでシステム・アプリケーション管理担当ディレクターを、D.H. Brown Associatesで上級アナリストを務めた。
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