基準の意図をより明確に
金融庁、「不正リスク対応基準」の修正案公表
修正された不正リスク対応基準では、正式名称が「監査基準の改訂及び監査における不正リスク対応基準の設定について」となった。
金融庁の企業会計審議会監査部会が2月28日に開催され、パブリックコメントを受けて修正された「不正リスク対応基準」が公表された。監査部会ではこの修正された内容についても意見が相次いだ。金融庁は3月に再度、修正案を示す方針だ(不正リスク対応基準についての記事:会計不正に対応する「不正リスク対応基準」公表、2014年3月期から適用へ)。
修正された不正リスク対応基準では、正式名称が「監査基準の改訂及び監査における不正リスク対応基準の設定について」となった。従来は「監査における不正リスク対応基準の設定及び監査基準の改訂について」だったが、修正案では過去の別の基準などに倣い、監査基準であることを強調した。
また、「審議の背景」では監査人と監査役等との連携について、従来は「期待される」としていたが、修正案では「重要である」と表現を強めた。さらに、「不正リスク対応基準の基本的な考え方」では、従来文末にあった「本基準は、過重な監査手続を求めるものではなく」を文章の前方に配置するなど、「基準の意図を明確にした」(金融庁)。
監査人の「二重責任の原則」について(参考記事:不正会計、会計監査人も悩んでいる)も修正案を示した。経営者が作成した財務諸表について「正当な注意を払って監査を行った場合には、基本的には、監査人は責任を問われることはないとものと考えられる」と従来は記述していたが、修正案では「基本的には、」を削除した。
監査部会で議論になったのは、不正リスク対応基準の範囲について追記。修正案では不正リスク対応基準と中間監査、四半期レビューとの関係を記述している。中間監査については不正リスク対応基準が「準用される」と記載。また、四半期レビューについては「本基準は適用されない」とした。ただ、「なお」として、四半期レビューを行う中で監査人が「不正による重要な虚偽の表示の疑義」を見つけた場合は、四半期レビュー基準に基づき、追加的手続きを実施すると説明している。この追加的手続きは従来と変わっておらず、あえて不正リスク対応基準に記載するかどうかについて意見が相次いだ。
監査部会の中で金融庁は、不正リスク対応基準と証券取引所の上場規則の関連について、証券取引所と調整を進めていると説明した。金融庁ではその他の法制との調整も進めているという。
また、日本公認会計士協会は2月28日、不正リスク対応基準に対応した監査基準委員会報告書の改正案を公表した。
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