スマートデバイス活用コストを再考する【後編】
“金食い虫”のiPhone、Androidスマホを一掃する3つのヒント
スマートフォンやタブレットといったモバイル活用のTCO(総所有コスト)を最適化し、投資対効果を最大限に引き出すにはどうすべきか。そのヒントを3つ紹介する。
前編「『TCO』(総所有コスト)の本当の意味、正しく説明できますか?」では、企業のモバイル活用の総所有コスト(TCO)について解説。設備投資コスト(CAPEX)や設備維持コスト(OPEX)といった基礎事項の定義やその管理方法まで詳しく説明した。後編では、モバイル活用におけるTCOを最適化する3つのヒントを紹介する。
TCO最適化を図るヒント
長期的なモバイル活用コストは、新しいトレンドと技術に応じて変化するものだ――。企業はこうした認識を持つ必要がある。コストを低く抑えながら、生産性を向上させるためのヒントを幾つか紹介しよう。
ヒント1: 802.11acに移行する
より高速で高機能かつ安価な方法が求められるというのは、無線LANについてもあてはまる。「IEEE 802.11ac」に準拠した今日のエンタープライズクラスの無線LANシステムは、スループットや通信距離、伝送容量、期限内パフォーマンス、管理機能などを改善する。そればかりでなく、802.11acのコストは「802.11n」と比べて同等か安価である場合が多い。
802.11acの第2世代「Wave 2」が出るのを待ちたいと考えるITマネジャーもいる。Wave 2には幾つかの便利な新機能が含まれるのは確かだが、その登場を待ち続けるのは得策ではない。「IEEE 802.11n」のインフラに追加投資をすることは、まだ利用価値があり、すぐ陳腐化する心配はないものの、間違いなく廃れる方向に向かっている技術に資金を投入するということなのだ。
社内の無線LAN環境で伝送容量の問題を抱えている企業は、すぐに行動すべきだ。貧弱な無線LAN環境は生産性を大幅に低下させるからである。多くの企業では、802.11acのWave 2を最大限に活用するには、新しいクライアント端末にも投資する必要がある。現実的にWave 2のメリットが得られるのは、1年半以上先のことだ。ただし、無線環境および端末への投資の検討を今から始めれば、モバイル活用コストの削減につながる可能性がある。
ヒント2:古い認定リストを改訂する
端末に関していえば、IT部門は認可されたクライアント端末やOSバージョン、エンタープライズモビリティ管理(EMM)ツールのリストを定期的に見直して改訂する必要がある。古い製品は余計なサポートコストが掛かる可能性がある。もちろんセキュリティホールも多く、これはメンテナンスコストと災害対策コストの大幅な増加を招く恐れがある。
端末と製品リストを常に最新の状態に維持すれば、頻繁なメンテナンスが必要な古いハードウェアのサポートのせいでOPEXが膨らむ、といった心配はない。企業は少なくとも、できるだけソフトウェアのアップデートとアップグレードをするよう従業員に促す必要がある。これはTCOにかかわらず、賢明なビジネス慣行だ。
ヒント3:生産性向上を目指す
ITの運用方法を見直し、生産性向上につながる改善点を探すべきだ。アナリティクスツールを利用すれば、従来はシステムログなどの運用データに埋もれていた問題点が浮かび上がる可能性がある。サポートに対するリクエストも検証が必要だ。多くの企業では、20%の問題がサポート要員の時間の80%を占めているのが実情だ。分析データの収集とサポート案件の追跡は、長期的にコスト削減につながる可能性がある。
端末やサービスのベンダー各社も、モバイル環境の高速化や高機能化、低価格化に意欲的に取り組んでいる。新たな設備投資は大抵の場合、将来的に運用コストの削減をもたらす。予算の内訳にかかわらず、IT部門はエンタープライズモビリティをROIに基づいて評価すべきだ。投資の結果、生産性の改善が目に見える形で現れれば、それは価値ある投資だったということだ。
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