『ディープラーニングG検定 最強の合格問題集』出張版
【G検定】生成AIと著作権、正しい説明はどれ?
AIの基礎から法律・倫理まで幅広い領域が問われる資格「G検定」。試験範囲の中でも重要度の高いテーマを1問ずつ取り上げ、理解の定着に役立つポイントを確認していきます。今回は、生成AIの利用において誤解されやすい著作権の考え方を取り上げます。
「G検定」(ジェネラリスト検定)は、AI(人工知能)技術全般、特に機械学習やディープラーニングの基礎を体系的に学ぶ資格試験です。AI人材の需要の高まりとともに受験者数は年々増加しており、企業でも従業員への取得を奨励する動きが広がっているそうです。
本記事はSBクリエイティブ刊『ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の合格問題集[第2版]』(ヤン・ジャクリン 著)から、G検定の出題範囲を踏まえた問題と解説を1問1答形式で紹介します。今回は、生成AIの利用において誤解されやすい著作権の考え方を押さえる1問です。
問題
日本の著作権法に基づき、生成AIを用いて作成したコンテンツに関する考え方として、最も適切な選択肢を1つ選べ。
1.生成AIが生成したデータが著作物として保護を受けることはないため、全てオープンデータとして公開し、生成AIの利益を広く利用可能にすべきである。
2.著作物を用いて学習させた生成AIモデルによって生成されたコンテンツが、学習に使用したものと異なる著作物の著作権を侵害する可能性がある。
3.自身の著作物との「類似性」が認められるAI生成物が利用されていても、自身の著作物がAIに利用されることを禁ずる旨をあらかじめ表明していなければ、著作権侵害は成立しないことに留意する必要がある。
4.既存の著作物との「類似性」が認められるAI生成物の(著作権者の許諾なく行われる)アップロードや販売は、当該生成物の既存の著作物への「依拠性」が認められる場合に限って著作権侵害となる。
――答えは分かりましたか?
正解と解説
正解は「2.著作物を用いて学習させた生成AIモデルによって生成されたコンテンツが、学習に使用したものと異なる著作物の著作権を侵害する可能性がある」
生成AI(およびその基盤モデル)は膨大な量のデータ(中には著作物を含む)を学習します。この学習の結果に基づいて学習済みモデルが新しいデータを生成します。この時、学習した特徴量の組み合わせ方によっては、生成されたデータが未学習の著作物と類似している可能性があります。
例えば、画像生成AIの場合、Web上の大量な画像データとそのキャプションのペアからなるデータセットを用いて学習し、それらから抽出した画像特徴量の組み合わせに基づいて、指示に合った画像を生成します。生成された画像が全く別の美術家の作品に類似し、著作権者の利益を害する場合は著作権の侵害を指摘される可能性があります。
- 選択肢1
- AIが生成した物は基本的に著作権が認められませんが、人間がAI生成物を十分な創作性をもって編集した場合、著作権が認められる可能性があります。また、全ての生成物をオープンデータにすべきという議論は現時点では行われていません。
- 選択肢3
- 著作権の侵害が認められるかどうかは、著作権者が表明を出したかどうかによらず、著作権法によって決まります。
- 選択肢4
- 生成AIモデルの訓練に使用されたデータの追跡、さらにデータのどの部分の特徴量が生成に寄与したのかを明らかにすることは難しいです。よって、生成AIによって生成されたコンテンツである場合、他人の著作物と類似している時には依拠の議論が困難であり、類似している時点で著作権者の利益を害する場合は、著作権侵害とされるリスクが高いです(有償目的での用途など)。
※この記事はSBクリエイティブ刊『ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の合格問題集[第2版]』から、アイティメディアが出版社の許可を得て一部加筆編集の上、転載したものです(無断転載禁止)。
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