ますます狙われる中小企業と製造業

アサヒグループも襲ったQilinの手口とは 2025年国内被害22件に

2025年の国内ランサムウェア被害は増加の一途をたどり、人手不足に悩む中小企業や製造業が損害を受けている。攻撃グループ「Qilin」の手口とは。業務の完全停止を防ぐための具体的な検出方法と併せて解説する。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やリモートアクセスの普及は、企業に恩恵をもたらす一方で、サイバー攻撃の標的領域を広げている。中でも、データを暗号化して復旧と引き換えに身代金を要求するマルウェア「ランサムウェア」は、サプライチェーン全体を巻き込み、甚大な経済的、社会的損失を引き起こす。特に人手不足に悩む企業にとって、事後処理に割く人的リソースの確保は困難な課題だ。

 Cisco Systemsのセキュリティ研究機関であるCisco Talosは、2025年の日本におけるランサムウェア被害の実態と、そこから得られる早期検出の知見に関する調査結果を公開した。本調査は、2025年1月から12月までの1年間を対象期間とし、日本国内の組織を対象に、データリークサイトの掲載情報や被害組織の公式発表、メディア報道に基づいて集計されたものだ。

 同調査によると、2025年の国内におけるランサムウェア被害件数は、2024年と比較して明らかな増加傾向を示している。特にランサムウェアグループ「Qilin」による組織的な攻撃が全体の被害を大きく底上げしており、セキュリティ体制に制限のある中小企業や製造業が主な標的となっている。

 ランサムウェアによる業務停止を防ぐには、暗号化が実行される前の初期段階で不審な動きを捉え、脅威を処理する仕組みを実現することが不可欠だ。具体的にQilinはどのような手口を使っているのか。同グループの侵入経路や、誤検知を減らして脅威を早期発見するための実践的なアプローチを解説する。

“大量の誤検知”を防ぐための監視術

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