クラウド運用管理ソフトウェアが搭載する機能は、製品によって異なる。広範な機能を提供するベンダーもあれば、特定用途や特定業界を対象にした機能を提供するベンダーもある。クラウド運用管理ソフトウェアはオンプレミスのソフトウェアやSaaS(Software as a Service)として提供される。
クラウド管理プラットフォームの機能
一般的なクラウド運用管理ソフトウェアの主要機能として、クラウドユーザー支援団体のCloud Standards Customer Council(CSCC)は以下の機能を挙げる。
- 管理ポータル
- セルフサービス型の管理を可能にするための機能カタログや管理コンソール、ユーザー企業がクラウドシステムの利用に関する洞察を得るためのレポート機能を指す。
- サービス管理
- IT部門がクラウドシステムを監視して、アプリケーションの可用性や処理速度などのパフォーマンスに関する要件が満たされるようする機能。インフラのリソース利用量を監視するキャパシティー監視機能がこれに該当する。
- リソース管理
- リソースの検出や管理の自動化などの機能を指す。リソースにはCPUやストレージ、ネットワークなどが含まれる。クラウド運用管理ソフトウェアによっては、複数のクラウドシステム間で利用リソースを融通する機能を用意している。
- 財務管理
- 特定のエンドユーザーまたは事業部門によるクラウドシステムへの支出を自動的に追跡し、予算を管理する機能を指す。具体的には、請求料金に基づく収支レポートの生成機能や将来のシステムコストの予測機能などが挙げられる
- ガバナンスとセキュリティ
- 管理者がセキュリティポリシーに基づいてリソースを制御できるようにするための機能。データ暗号化機能やID・アクセス管理機能がその一例だ。
クラウド運用管理ソフトウェアは特定のクラウドベンダーが、自社のクラウドサービスのために提供するタイプと、サードパーティーベンダーが提供するタイプに大別できる。サードパーティーが提供するクラウド運用管理ソフトウェアは、一般的にマルチクラウドで利用できる。
代表的なクラウド運用管理ソフトウェアには、
- VMwareの「vRealize Suite」
- IBMの「IBM Cloud Orchestrator」「Turbonomic Application Resource Management for IBM Cloud Paks」
- Cisco Systemsの「Cisco CloudCenter」
- Red Hatの「Red Hat CloudForms」
- Hewlett Packard Enterprise(HPE)の「HPE OneSphere」
- NetAppの「CloudCheckr CMx」
などがある。