「バックアップは面倒」という固定概念を振り払え作業の効率化を実現するカギはIT管理者の意識改革(1/3 ページ)

運用の煩雑さからIT担当者を長年にわたって悩ませてきたバックアップ。バックアップツールが進化し続ける中で、なぜ状況は変わらないのか。課題解決に向けて求められているのは何か。

2015年04月24日 10時00分 公開
[ITmedia]

 IT管理者が業務で抱えるストレスの代表格が、システムのバックアップ/リカバリ環境に関するものである。TechTargetジャパンが2015年2〜3月に会員読者を対象に実施した「バックアップ/リカバリ」読者調査でも、既存のバックアップ/リカバリ環境に満足していない理由として、次のような作業の煩雑さに起因する回答が数多く挙げられた。

  • バックアップ処理に時間がかかる
  • リストア処理に時間がかかる
  • 運用・保守における人的負担やコストが大きい
  • ネットワーク/サーバに負荷がかかる

 そこから浮かび上がるのは、万一の事態に備えるためにいわば労働集約的な作業を強いられているIT管理者の姿である。

 これらの課題は以前から指摘されてきたものであり、バックアップ環境の改善の機会は何度もあったはずだ。それにもかかわらず、なぜバックアップ環境は改善できないのか。本稿ではその理由とともに現状を打開するための“策”を探る。

バックアップ作業の効率化はなぜ進まないのか?

 そもそも、IT管理者はバックアップ/リカバリをなぜ負担だと感じているのか。バックアップ/リカバリ環境に課題を抱えている企業の状況を見ると、その多くのシステムが利用されない時間帯に、システムを停止してバックアップ作業を行っている。必然的に休日や夜間など本来の業務時間外での作業が強いられ、そのことに対する心理的な抵抗感は決して小さくない。

 バックアップ処理時間が長引くこともIT管理者の負担を増している。従来広く行われてきたバックアップ手法には、システムの全データをバックアップする「完全バックアップ」と、完全バックアップ後に追加や変更されたデータをバックアップする「差分バックアップ」がある。前者はデータ量が膨大な分、完了までに長い時間を要する。後者は複製データの抽出に完全バックアップデータとの比較作業が必要とされ、複製するデータ量は少なくて済むものの、終了までに時間を要する点ではそれほど変わりはない。

 これらの課題解決に向けてバックアップツールも進化を遂げている。システムを稼働したまま、業務時間中のバックアップを可能にする製品も存在する。だが、そのようなツールを使用しているにもかかわらず、従来のバックアップに関する課題を解決するには至らないことが多い。それには理由がある。

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提供:ストレージクラフト テクノロジー合同会社
アイティメディア営業企画/制作:TechTarget編集部/掲載内容有効期限:2015年6月26日

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