多くの企業が挑戦するワークスタイル変革。モバイルデバイスを導入して満足するケースもあるが、生産性向上という目的を見失っていないだろうか。生産性向上を実現するために最適なデバイスを紹介しよう。
「ワークスタイル変革」をIT戦略に組み込んでいる企業が増えている。従業員の業務環境を改善することで、コスト低下や売り上げ増、モチベーションの上昇を狙うものだ。
ワークスタイル変革は、スマートデバイスの登場と普及によって注目されたキーワードであるが、安直に「スマートデバイスの導入=ワークスタイル変革」と捉えたがために、改革に失敗してしまったケースも少なくないようだ。ワークスタイル変革自体は目的ではなく手段であり、企業にとっての本当の目的は生産性を向上させることによってのビジネス成長への貢献といえるだろう。この視点を欠いたまま、人気のタブレットを配布するだけで満足してしまう組織が多いのだ。
本稿では、ワークスタイル変革とそれによる生産性向上をテーマに、ビジネス向けのデバイスをどのような視点で選ぶべきかを探ってみよう。
ワークスタイル変革というと、どうしてもスマートデバイスに目が向きがちだ。しかし、さまざまな仕事をこなすビジネスパーソンにとって、「Android」や「iOS」などのモバイルOSを搭載したデバイスで今行っている業務を全て実行できるわけではない。文章やプレゼンテーションを作成したり、POPを制作したりと、ビジネスで使うならばPC、そしてOSには「Windows」を用いた方が圧倒的に柔軟性が高いのは明らかだ。
加えて、ビジネスでは文字を入力する作業も多いため、キーボードがないと効率が悪い。一方で、重くて持ち運びにくいノートPCを敬遠しているユーザーも多いことだろう。
最近、ビジネスパーソンに人気の高いデバイスとして「2-in-1タブレット」あるいは「2-in-1 PC」と呼ばれるカテゴリがある。これは、タブレットにキーボードを装着できるデバイス、あるいはキーボードを脱着できる軽量なノートPCとして捉えられている。
2-in-1 PCに分類されるデバイスの中には、キーボードを外すことなく、折りたたむようにしてタブレットの形式にできる製品もある。これは「回転型」と分類され、基本的には社内でも社外でもノートPCとして活用し、客先ではタブレット形式にしてプレゼンテーションを容易にするという使い方が可能だ。
しかし、もしスマートデバイスを意識したワークスタイル変革と業務の生産性向上を目指しているのであれば、やはり前述した「分離型」の2-in-1の方がメリットは大きいだろう。必要に応じて、キーボードを装着したメインのノートPCとして活用したり、軽量なタブレットとして持ち運ぶこともできるからだ。
日本HPの「HP Elite x2 1011 G1」は、ビジネス向けに開発された分離型の2-in-1 Windowsタブレットである。米軍の調達基準(MIL-STD-810Gテスト)をクリアする堅牢性を誇り、振動や落下、衝撃、粉じんの他、高湿度、高温・低温などの悪質な環境にも耐えることができる。特に日本のビジネスパーソンは、満員電車で圧迫されるケースが多いはずだ。クラムシェル型で堅牢性が高いHP Elite x2 1011 G1であれば、いつでも間違いなく利用できるという安心感を得ることができる。
安全性の面では、セキュリティ機能にも注目したい。日本HPは従来、クライアントセキュリティに注目し、最新の「Windows 10」で採用されている機能を「Windows XP」の時代から「HP Client Security」として提供してきた。データ暗号化や多要素認証など、特にモバイルデバイスで必須とされる機能が標準搭載されており、無償で利用することができる。
出張の多い営業スタッフなどには、14時間の稼働を可能とするバッテリーを内蔵した「パワーキーボード」がおすすめだ。2-in-1タブレットは、モニター側に基盤やバッテリーを搭載する製品が多く、モニターを支えるためにスタンドを立てて利用するタイプが多い。新幹線などの狭いスペースでは、このスタンドが邪魔になってしまうのだ。パワーキーボードは適度な重量があるため、狭い場所でも2-in-1タブレットの姿勢が安定し、快適に利用できる。ビジネスでの利用シーンを考慮して製品がデザインされているのだ。
タブレットとして利用する際には、スタイラスペンにも注目したい。実績の高いワコムのデジタイザペンが採用されており、スムーズなハンドライティングが可能である。本体へ収納できるバッテリーレスタイプであるため、利便性を損ねない点も評価が高い。
加えて、日本HPでは、世界の2500万カ所を超えるWi-Fiホットスポットを1年間利用できる「iPass」サービスを、HP Elite x2 1011 G1と後述の「HP EliteBook Folio 1020 G1」などを対象に無償で提供している。モバイル使用時の通信費が気になる中堅・中小企業でも、デバイス購入後にすぐにモバイルワークを開始できる。
2-in-1タブレットのデメリットとして、薄型で軽量なデバイスを実現するために、出入力ポートをできるだけ削減しているという点が挙げられる。つまり、ディスプレイポートやLANポートが省略され、USBポートも最小限しか搭載されていない製品が多いのだ。だが、ユーザーの生産性を考えると、タブレットでも解像度の高いディスプレイやフルサイズのキーボード、マウスなどが利用できた方が利便性が高いのは当然だ。
小型ノートPCのインタフェース不足を補うツールとしては従来、“ドッキングステーション”と呼ばれるアクセサリがある。大抵は大きな土台状のデバイスで、PCを載せて利用する形式だ。便利ではあるが、あまりスマートとはいえない。
そこで日本HPでは、無線でインタフェースを増設できる「HP アドバンスド無線ドッキングステーション」を提供している。このドッキングステーションは、短距離ではあるが非常に高速な通信を可能とする「WiGig規格」に準拠し、DisplayPort×2、VGAポート×1、USB 3.0ポート×4、ギガビットイーサネットポート、音声入出力端子を備えている。
HP Elite x2 1011 G1をHP アドバンスド無線ドッキングステーションに近づけると、自動で無線接続し、これらのポートをHP Elite x2 1011 G1から利用できるようになる。ワイドディスプレイと使い慣れたフルサイズのキーボードを装着し、高速で安定的な有線ネットワークも利用できるようになる。タブレットであってもデスクトップPCと同様の使い方が可能になるのだ。つまり、HP Elite x2 1011 G1は、タブレット、ノートPC、デスクトップPCの3つの利点を備えた「3-in-1デバイス」と言っても過言ではない。
実のところ、在宅勤務やフリーアドレス制といったオフィスのワークスタイル変革には、実務効率を低下させるようなモバイルデバイスは適していない。オフィスの自席や会議室、社外、在宅などさまざまな利用シーンを想定してデバイスを配置することこそ、生産性を向上させるワークスタイル変革といえる。その意味で、HP Elite x2 1011 G1のような3-in-1デバイスが最適といえるだろう。
上述のように社外へのモバイルデバイスの持ち出しだけが、ワークスタイル変革ではない。タブレットを上手に活用することで、社内業務の効率化も実現できるのだ。「HP ElitePad 1000 G2」は10.1インチのタブレットだが、高い拡張性があり、ノートPCやデスクトップPCのスタイルで、社内業務でも活躍する3-in-1デバイスだ。拡張性の理由は、“ジャケットコンセプト”を採用していることだ。
ジャケットコンセプトとはピュアなタブレットでありながら、さまざまな機能を持つジャケットを装着することで後からでもタブレットの機能を追加できること。
例えば、社内でデスクトップとして利用したい時には、専用の「ドッキングステーション」を活用すれば、スマートかつ安定して設置できる。バッテリーが搭載された「拡張ジャケット」を装着すれば、長時間の連続利用も可能だ。キーボードが必要な現場には、「キーボードジャケット」も用意されている。イベント会場などでは、ショルダーストラップの付いた「プロテクションケース」を利用することもできるし、多数のデバイスを一気に充電できる「マルチタブレット充電モジュール」も活用したい。外部ディスプレイと接続する「HDMI&VGAアダプター」や「Ethernetアダプター」も用意されているため、オフィスでも便利に利用できる。
ジャケットコンセプトのメリットは、汎用的なデバイスを特殊な業務向けにカスタマイズできる点にもある。HP ElitePad 1000 G2はその拡張性を生かし、さまざまな業務や業種で利用できる専用デバイスも開発されている。
例えば医療現場では、「HP ElitePad 1000 G2 看護タブレット」が活躍している。耐久性が高く、IP54準拠の防じん・防水性能を持ち、抗菌処理が施されたジャケットが装着されている。医療業務で患者や投薬のマネジメントに使えるバーコードリーダーを搭載している。高価な専用機器に比べて安価に導入できる他、さまざまなWindowsアプリケーションをそのまま利用できることから、医療現場だけでなく、抗菌などの仕様が求められる食品工場などでの活用も行われている。
建築現場や土木現場向けには、非常に堅牢なジャケットを装着した「HP ElitePad 1000 G2 頑丈タブレット」も注目だ。最大20時間の駆動が可能で、米軍調達基準に適合する設計で、IP65の防じん・防水性能を誇る。建設現場の機材などを接続できるようなインタフェースやバーコードリーダーを備えているのも特徴だ。
※看護、頑丈タブレットのジャケットは脱着できません。
小売店などでは、接客や商品管理のためにスタッフが携帯しつつ、最終的にはモバイルPOSとして決済も可能とする「リテールジャケット」「リテールケース」が役立つだろう。特殊なデバイスを用意せずにフル機能のPOS端末として利用できる「リテールドック」があれば、ショップに必要な機能は全てそろう。
企業ユーザーにはもちろん、タブレットや2-in-1デバイスだけではなく、ノートPCという選択肢もある。特に移動が多く、入力作業も頻繁に行う必要があるユーザーにとってはB5サイズのノートPCは現実的な選択肢だ。例えば「HP EliteBook Folio 1020 G1」は厚さが15.7ミリ、重さが約1キロと、持ち歩いても負担にならないノートPC。アルミニウムをトップカバーやパームレストに採用し、薄型と耐久性を両立させている。
モバイル可能なノートPCで困るのは、オフィスでディスプレイなどの周辺機器と接続して使う場合だ。薄型実現の代償としてインタフェースが削減されているケースが多いからだ。HP EliteBook Folio 1020 G1は、インタフェースを増設する「HP UltraSlimドッキングステーション」を用意。VGAポートやLANポート、複数のUSBポートなどを使えるようにしている。これらに周辺機器を接続すればHP EliteBook Folio 1020 G1をデスクトップPCと同様に利用できる。HP UltraSlimドッキングステーションであれば、PCの電源が入っている状態でPCの着脱が可能で、社内をスマートに移動できる。
業務によってはPCに高いCPU性能が必要なケースがある。3Dグラフィックスを使うような設計やデザインの仕事だ。このような仕事にはやはりデスクトップPCが適している。そこで注目したいのが超小型のデスクトップPC「HP EliteDesk 800 G2 DM」だ。幅34ミリ、容量でいうとわずか1リットルの筐体で、ディスプレイとの一体型設置をするためのマウントキットオプションや、デスクの板下などに固定し盗難防止も可能なオプションなど、さまざまな設置を想定したオプションも用意されている。
超小型サイズだがHP EliteDesk 800 G2 DMは、VGAに加えて2つのディスプレイポートを備え、3画面出力が可能など、高いパフォーマンスと拡張性を備える。例えば、省スペースさを生かしてオフィス内の特定の場所にHP EliteDesk 800 G2 DMを設置し、高いCPU性能が必要になったり、複数のディスプレイがあると効率が高まる作業の場合にだけ、ユーザーが、HP EliteDesk 800 G2 DMが設置されたデスクに移動して処理するという使い方が考えられる。日本マイクロソフトの「Office 365」をはじめ、クラウドで動作するアプリケーションが増えていて、どのPCでも自分のアカウントでログインすれば、いつも同じ環境で業務を行えるようになりつつあることも、デスクトップPCを使ったフリーアドレス制を推進する流れといえる。
ワークスタイル変革と一口に言っても、生産性向上のための方法は企業や業種、業務によって千差万別である。ポイントになるのは、ワークスタイル変革の一面だけを捉えるのではなく、ユーザーの利便性を高めるために適材適所で、最適なデバイスを配置することだ。日本HPは、多様なデバイスを有し、豊富なオプションで企業のニーズに応えてくれるだろう。
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