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仮想化導入ガイドPart3 ROIの計算
Part1、Part2のフェーズを完了すると、ROI計算のベースとなる適切な情報が手に入る。今回は、仮想化投資とそれによる一連のコスト削減効果を比較する際のポイントを紹介しよう。
仮想化導入ガイドのPart1では、仮想化プロジェクトの最初のフェーズで行う、適切な仮想化対象サーバを特定する作業を取り上げ、その方法を紹介した。サーバの選択と価格調査が、ROI(投資利益率)を計算する前提となるのは明らかだ。Part2では、難関であるキャパシティプランニングについて説明した。このフェーズでは仮想化アーキテクトは、どのような物理マシンで目的の仮想マシンをホスティングすべきかを慎重に検討しなければならない。この検討の土台となるのは具体的なマシン配置の戦略であり、この戦略は、ホストされるアプリケーションのワークロードに大きく左右される。
この2つのフェーズを完了すると、ROI計算のベースとなる適切な情報が手に入る。今回は、仮想化投資とそれによる一連のコスト削減効果を比較する際のポイントを紹介しよう。
仮想化導入ガイドのPart1では、仮想化プロジェクトの最初のフェーズで行う、適切な仮想化対象サーバを特定する作業を取り上げ、その方法を紹介した。サーバの選択と価格調査が、ROI(投資利益率)を計算する前提となるのは明らかだ。Part2では、難関であるキャパシティプランニングについて説明した。このフェーズでは仮想化アーキテクトは、どのような物理マシンで目的の仮想マシンをホスティングすべきかを慎重に検討しなければならない。この検討の土台となるのは具体的なマシン配置の戦略であり、この戦略は、ホストされるアプリケーションのワークロードに大きく左右される。
この2つのフェーズを完了すると、ROI計算のベースとなる適切な情報が手に入る。今回は、仮想化投資とそれによる一連のコスト削減効果を比較する際のポイントを紹介しよう。
ROI計算のポイント
ROIを計算するには、企業が仮想化の導入によって削減または解消できるコストを割り出し、それらを合算する必要がある。これは簡単な作業ではない。直接コストが過少評価されたり、間接コストが見落とされたりする可能性がある。
仮想化によって削減できる直接コストには、以下のようなものがある。
- 物理サーバ用スペースの(リースまたは所有)コスト
- 物理サーバの電力コスト
- サーバルームの空調冷却コスト
- 物理サーバのハードウェアコスト
- ネットワーク機器のハードウェアコスト(スイッチやFibre Channelホストバスアダプタのような高価な機器を含む)
- OSのライセンスコスト
- 購入したハードウェアとソフトウェアの年間サポート契約コスト
- 故障によるハードウェア部品コスト
- ハードウェア障害時のダウンタイムコスト
- 物理サーバおよびネットワーク機器当たりの保守サービス時間のコスト
一部の費目は詳しく分析しなければならない。仮想化市場が非常に急速に変化していることを考えると、それらの費目にはプロジェクトごとに分析を加えるべきだ。例えば、OSのライセンスコストは、今年までは大きなファクターではなかった。以前は、Windowsを利用する顧客にとって、仮想マシンを使うのも物理サーバを使うのも同じことだった。だが、マイクロソフトは今年、ライセンス条件を若干変更し、仮想化を導入しやすくした。
現在、Windows Server 2003 Enterprise Editionのユーザーは、仮想マシン上で、Windowsの任意のエディションのインスタンスを最高4つまで稼働させることができる。近くリリースされるWindows Vistaのライセンスでは、仮想マシン上で2つまでのインスタンスを利用できる。Longhorn Data Center Editionのコードネームで呼ばれるWindows Serverの次期バージョンでは、利用可能な同OSの仮想インスタンスの数に制限がなくなる。
近い将来、マイクロソフトがこうした方針をさらに推し進め、同一の物理ハードウェア上であれば、ホストOSの仮想インスタンスを無制限に稼働させられるようにするのはほぼ確実だ。
いずれにしても、上記の直接コストはいずれも、これまでの連載で説明した2つのファクター――選択した仮想プラットフォームで得られるVM/コア(コア当たりの仮想マシン数)の値、そしてより重要な、キャパシティプランニングのフェーズで選択した仮想マシンの配置――に厳密に基づいて決まる。だが、どのような仮想プラットフォームや配置を利用する場合でも、次のような重要な間接コストを計算に入れなければならない。
- 新しいサーバとそのアプリケーションを導入するために必要な時間
- 必要な構成を適用する時間
- 予想外の深刻な障害のために新しい物理ハードウェアに移行する時間
- 機器の陳腐化により新しい物理ハードウェアに移行する時間
これらの要素を簡単に定量化することはできないが、これらは仮想インフラのROIの計算に大きく影響する。
仮想データセンターは、新しいサーバを目的の構成で導入する際のスピードと効率性、いわゆる導入能力に関して抜群に優れている。同様に、ミッションクリティカルなアプリケーションを、障害が発生したハードウェアから安全なハードウェアに移動する際のスピードと効率性、いわゆるリカバリ能力も、仮想化の基本的な機能だ。これにはどんなセキュリティソリューションも太刀打ちできない。
ROIの計算は容易なことではなく、異なる解釈によって非常に異なる結論に到達する可能性もある。費目の一部がカバーされており、CPU/VMの値や製品ライセンス価格などを算出できるROI計算ツールを、潜在顧客向けに提供している仮想化ベンダーもある。例えば、SWソフトは、OSパーティショニング製品のVirtuozzo用にオンラインフォームを提供している。
また、熟練した仮想化の専門家が、経験を生かしてROI計算ツールを作成し、一般に公開しているケースもある。例えば、ドン・オグレスビー氏は、物理ハードウェアの特性に応じて仮想マシンのコストを見積もるためのExcelスプレッドシート「VMOglator」を公開している。
大抵の場合、こうしたセルフサービス計算ツールは100%効果的というわけではない。コスト削減分析のすべての要素を網羅することはできないし、ユーザーは多くの場合、一部のコストを数値化することができないか、そうする時間がないからだ。最良の選択肢は、伝統的なROI分析を行うことだろう。中立的な第三者企業の分析サービスを利用するのが良いかもしれないが、それは時間もコストもかかるものであり、ほとんどの中小企業には手が出ない。
ROIを計算するフェーズの最終段階では、現行インフラのコストの一覧、仮想インフラのコストの一覧、および以下のような、仮想化の導入に必要なコストの一覧を作成しなければならない。
- 仮想化する物理サーバを特定する時間
- キャパシティプランニングを行う時間
- ROIを計算する時間
- 実際のインフラを移行する時間
- 新しいインフラへの移行に必要なノウハウを習得するための時間と教材のコスト
- 仮想化導入の各フェーズに必要なすべてのソフトウェアツールのライセンスコスト
企業は最終的に、これらの数字を基に、仮想化プロジェクトが実行可能かどうか、どれだけの期間で投資効果が得られるかを見極めなければならない。
次回からはプロジェクトの作業フェーズに入る。その最初のステップとして、既存の物理マシンを仮想マシンに移行するP2V(Physical to Virtual)移行をまず取り上げる。
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