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リアルタイム位置情報システムの基盤技術と応用分野在庫管理やナビゲーションなど用途は多様

数年前から出回っているRTLSはさまざまな用途に使われている。そこで使われている技術もまたさまざまだ。RTLS技術の基礎を解説し、幾つかの主要な用途を紹介する。

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 リアルタイム位置情報システム(RTLS)は数年前から出回っている。小売業者は在庫の追跡にこれらのシステムを利用し、運送業者は車両の追跡で利用している。この2つの用途は同じように思えるが、そこで使われているRTLS技術は大きく異なる。本稿では、リアルタイム位置情報技術の基礎を解説し、幾つかの主要な用途を紹介する。

RTLSを実現する技術

 RTLSは、対象物の「ポジション」と「ロケーション」を検出する。ポジションは、測地系を用いた地球上の位置(例えば「北緯32° 49' 49.7964'、東経116° 49' 9.9228"」など)を表す。ロケーションは、実際の世界における特定の場所(例えば「ボストンのノースエンド地区」など)を指す。RTLSは以下に示すように、さまざまな技術を利用してポジションとロケーションを特定する。

RFID

 RFID(無線ICタグ)システムは、電子リーダーとそれに応答する安価な電子タグで構成される。大抵のRFIDシステムの主要な目的は、RFIDタグが付けられた品物を特定することだ(例えば在庫管理など)。タグ付きの品物の移動過程を追跡(例えば生産ラインなど)したり、小売店の棚から動かされる際に追跡されることもある。ほとんどのRFIDリーダー/タグは非常に近距離でのみ動作し、その位置を把握できるのは、数インチあるいはせいぜい数フィートの範囲内だ(※編注)。

※ アクティブタグの場合、100メートル以上離れていても動作するものもある。通信距離は使用する電波の周波数帯と強度に依存する。

無線LAN

 1台ないし2台のロケーションサーバを備えた無線LANは、工場内などで無線LAN対応デバイスの位置を特定することができる。無線LANと通信するデバイスであれば、無線LANシステムを利用してリアルタイムでその位置を検出できる。このような無線LANベースの位置検出機能は拡張され、Enhanced 911(日本の110番に当たる緊急通報ダイヤル)サービス用の無線LAN電話などのようにネットワーク上の個々のユーザーの場所を特定することも可能になっている。

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