SCM製品紹介
国際物流をアイテム単位で可視化できる「GXS Logistics Visibility」
リードタイムが長い国際物流は、輸送ステータスの把握が極端に難しくなる。世界規模のネットワークで各物流業者からステータスを取得することで、アイテム単位の追跡を可能にしたSCMサービスを紹介する。
世界規模のネットワークで国際物流を可視化
国際輸送では複数の輸送業者が関係するため、物流経路の複雑化と予測困難な配送(出荷/物流)リードタイムが問題になる。例えば、中国からアメリカに商品を海上輸送する場合、最短の17日から最長の34日まで17日間のリードタイム差異が発生すれば、荷物の受け入れや営業体制を整えるのも難しいだろう。港を出港した後は輸送ステータスの把握ができなくなるばかりか、在庫切れを起こさないために安全在庫量が増大してしまう。さらに、商品が届かないことによる物流ライン停止のリスクやサービスコストも大幅に増えてしまう。また、荷物がいつ届くのか分からなければ納期を守るために緊急輸送の回数が多くなってしまうのも重要な問題だ。
こうした輸送に関する課題をまとめて解決してくれるのが、GXSが提供する国際物流の可視化ソリューション「GXS Logistics Visibility」である。GXSは、米General Electric Company(GE)の情報システム部門が独立して誕生した、B2Bサービスプロバイダー企業だ。全世界で3万5000社以上がGXSのネットワークを活用し、日本国内においても約1500社の顧客と4万5000社の取引先と提携している。GXS Logistics Visibilityは、このGXSが誇る世界規模のネットワーク「GXS Trading Grid」で各物流業者から取得したステータスデータを、物流の可視化に活用したものである。ステータスデータはGXSで一元管理され、複数の物流業者や経路を使っている場合でも、個別に問い合わせる手間が不要になる。
他ベンダーのソリューションとの差別化について、同社営業本部 部長の小野寺 亘氏は「GXSの場合は、各物流業者のホストシステムに格納されているステータス情報をEDIサーバから直接取得するので、正確な情報をリアルタイムにユーザー企業へ提供できます」と語る。GXS Logistics Visibilityは、まさに世界規模のネットワークを持つGXSならではのソリューションというわけだ。
アイテム単位での詳細な追跡が可能
GXS Logistics Visibilityではタイムリーに輸送ステータスを取得できるのはもちろん、事前に設定しておいたプランに対して、出港や到着といったイベントごとの差異を表示するETA(Estimated time of arrival:到着予定時刻)の自動更新機能を採用している。到着予定日を自動計算してくれるほか、遅延などの問題発生を電子メールで通知するアラート機能を備えており、迅速な対応が可能となっている。また、遅延だけでなく早着の場合も分かるため、トレーラーや荷物の置き場所に悩まされることもない。このような輸送を可視化する数々の機能が、結果として緊急輸送の低減や、輸送情報の開示による顧客満足度の向上に結び付いているのである。さらに、船積指図書(Shipping Order)をはじめとする各種書類の作成作業、物流業者の事務作業などを軽減し、輸送業務全体の効率化が行えるのも特徴だ。
また、一般在庫と輸送在庫の情報を一元管理することで、常に適正在庫を維持できるのも企業にとっては大きなメリットといえる。GXS Logistics Visibilityの在庫管理機能は、分散した倉庫に対してコンテナやアイテム単位での入出庫管理が可能だ。輸送中の荷物についても、同じくコンテナやアイテム単位でステータス補足が行える。こうしたアイテム単位での詳細な追跡ができるのは、注文データとステータスデータを別々のデータベースに格納し、マッチングをかけているためだ。PO(Purchase Order)番号やB/L(Bill of Lading)番号などのキー、そしてどのようなステータスをデータベースに格納するかも任意に設定できる。小野寺氏は「大半の企業では、万が一の在庫切れを防ぐために毎回の発注量を多く設定しています。しかし、荷物の到着日が明確に分かれば在庫と発注量を減らせるため、大幅なコスト削減が可能です」と語る。そのほか、クエリリポートの作成およびCSVやMicrosoft Office Excelでの出力機能、15種類以上の標準KPIリポートなど、業務プロセスのモニタリングに必要な各種機能も備わっている。「荷物の到着日が明確に分かるということは、在庫管理に悩む担当者のメンタル面をフォローできるということ。これも1つの重要な効果ですね」(小野寺氏)
GXS Logistics Visibility導入事例ハイライト
ヤマハ発動機株式会社
世界各国に生産・販売拠点および取引先を持つヤマハ発動機では、製品の補修部品に関する動的な物流管理と同時に、既存のグローバル受発注処理システムと統合できるソリューションを求めていた。そこで2008年10月にGXS Logistics Visibilityを導入し、物流の可視化とシステム統合を実現。リアルタイムに輸送ステータスや物流コストを把握できるようになったほか、Webポータルを通じた納期開示により、顧客満足度の向上や問い合わせ対応工数の削減といった効果も上げている。
ヤンマー株式会社
ディーゼルエンジンのリーディングカンパニーとして知られるヤンマーでは、複数の物流業者を採用しているため、納期把握が難しく、配送遅延時のディーラーへの緊急輸送も増えていた。そこで2008年7月からGXS Logistics Visibilityを稼働開始し、荷物の配送状況をリアルタイムに提供することで、ディーラーの満足度向上と緩衝在庫の低減が図られたほか、短期間で輸送の可視化を実現している。
低コストかつWebブラウザ経由で使える利便性
GXS Logistics VisibilityはSaaS(Software as a Service)型のソリューションとして提供されているため、Webブラウザ経由で世界中どこからでもアクセスが可能だ。もちろん、ハードウェアやソフトウェア、プログラム開発などの初期投資は一切不要だ。24時間365日体制のサポート、日本語と英語によるローカルサポートデスク、そして最短2カ月で導入できるスピーディーさも魅力の1つといえる。
小野寺氏は「ユーザー企業がデータを送れば、プロトコル変換も含めて相手先に合ったデータへと加工するので、手間を掛けずに国際物流の可視化が行えます。年4回程度の機能拡張をすべてのユーザーが利用できるのもSaaS型ソリューションならではの特徴です」と語る。
輸送ステータスの可視化、輸送業務の効率化、在庫の適正化が同時に行えるGXS Logistics Visibility。GXSが持つ世界規模のネットワークを利用したこのソリューションは、特にワールドワイドでビジネスを展開する企業にとって大きな武器となるだろう。
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