「リテールテックJAPAN 2010」で見た、店舗・物流業務効率化の未来:「リテールテックJAPAN 2010」イベントリポート
総来場者数24万8560人と、前年の来場者数(23万6740人)を1万人以上上回り、盛況のうちに閉幕した「リテールテックJAPAN 2010」。大手3ベンダーに流通業務のIT活用の現状とこれからを取材した。
2010年3月9日から3月12日に開催された「リテールテックJAPAN 2010」(関連記事:「セルフレジ、デジタルサイネージが注目を集める『リテールテックJAPAN 2010』」)。本稿では東芝テック、日立グループ、NECグループの出展ブースへの取材に基づいて、新製品や参考出展製品を紹介しながら、各ベンダーがどのようにして流通業企業のニーズに対応しているかを見ていこう。
大手POSシステムベンダーが考えるレジ業務効率──東芝テック
東芝テックブースでは2009年11月に発売された総合ストアシステム「PrimeStore」を搭載したPOSレジを展示。PrimeStoreは、同社POSターミナル「M-8000」、縦型バーコードスキャナ「LS-790T」および店舗サーバなどから構成される食品スーパー・量販店向けシステムだ。POSレジに関しては、これまでユーザーの要望に応じて機能追加する形でバージョンアップしてきたが、今回はすべて一から作り直したという。
その理由に関して、同社は「店舗におけるキャッシャーの人材問題を解決するため」と説明する。店舗のレジ担当者にベテランの人材ばかりをアサインできるとは限らない現状を踏まえ、POS画面の開発には特にこだわったという。例えば、フォントは同じサイズでも通常より約120%大きく見える特別なフォント「TTADゴシック」を開発するなど、今までのPC画面の延長線上ではない、現場業務に特化したインタフェースを目指した。さらに、かつては「さまざまな情報を取りあえず1画面で収めていた方が使いやすい」という考え方の下に画面開発を行っていたが、今回のリニューアルでは「その時々に必要な情報を絞り込んで表示する」という発想にシフトすることで、店員の見間違え防止を図った。また、複雑な処理は対話型ガイダンスでフォローするといったきめ細かな工夫もなされている。こうした工夫は教育時間の短縮にも役立ち、新人店員がすぐに実戦に入れるようになるだろう。
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