投資を抑えチャンスを勝ち取るSaaS CRMの活用法:プロジェクトで学んだ教訓も
金融危機の中で、Salesforce.comのSaaS CRMを活用し、投資を抑えながら収益を伸ばした資産管理サービス企業の実例を紹介する。
資産管理サービス業の米National Retirement Partners(NRP)は、金融危機と景気悪化の影響を受けなかったわけではない。しかしSaaS CRMを使って他社に差を付け、投資を抑えながら収益を伸ばすことができた。
NRPはSalesforce.comと契約し、ファイナンシャルアドバイザー400人のネットワークが利用している10種類ほどのアプリケーション用に、シングルサインオン(SSO)のCRMフロントエンドを構築した。
プロジェクトを率いるアダム・ソコリック製品管理担当副社長は、ライバルから1人でもファイナンシャルアドバイザーを引き抜くことができれば、NRPが初期投資した25万ドルは1年以内に回収できるだろうと試算した。プロジェクトは2008年9月にスタートし、2月までにはこのSaaS(Software as a Service)CRMアプリケーションのおかげで、15人のファイナンシャルアドバイザーがライバル企業を離れ、NRPの系列に入った。
それまで、NRPネットワークのファイナンシャルアドバイザーが顧客の資産を管理運用するためには、4、5つのWebサイトと3つ以上のシステムにアクセスしなければならなかった。100〜300人の顧客のために、四半期ごとに15〜30件の運用報告書をバラバラのシステムから作成するのは骨の折れる仕事だった。
今では、ファイナンシャルアドバイザーが手持ちの運用資産の情報をいったん入力してボタンをクリックすれば、その情報がNRPの資産モニタシステムに送られてSalesforce.comで報告書が作成され、それを印刷したり顧客にメールで送れるようになった。
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