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モバイルとクラウドの同時活用が企業IT成功の鍵モバイル向けセキュリティとともに考えるITサービス

コミュニケーションやコラボレーション環境の変革を検討する担当者に向けて、ソーシャル、モバイル、ポータルなどに代表される次世代コラボレーション環境を実現するソリューションを、目的や課題別に分かりやすく紹介する。

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 タブレット端末が激流となってモバイル化の波をもたらしている。モバイルセキュリティサービスも必須になり、ネットワークソリューションプロバイダーはこれに応える準備が必要だ。モバイルセキュリティは大きなチャンスであり、企業は正しく理解する必要があると、ITソリューションサービスプロバイダーの英Dimension Dataで主席セキュリティコンサルタントを務めるニック・アルバニティス氏は解説する。

 ただしタブレット端末とモバイルセキュリティに関連したサービスを提供する上で、ソリューションプロバイダーは単なるモバイルにとどまらない助言を顧客に提供することが求められる。モバイル化が顧客の事業にもたらすメリットを理解し、全てのテクノロジー分野全体に及ぶことを理解する必要がある。

――ソリューションプロバイダーがモバイル向けのセキュリティサービスを提供するメリットはなんでしょうか。

アルバニティス氏 ソリューションプロバイダーが果たすべき中心的な役割は助言者としての役割です。モバイル化をめぐって、そしてモバイルでできることとできないことをめぐっては不明瞭な部分が多い。それぞれの組織が個別の懸念を抱えており、成熟度もさまざまです。私たちはライフサイクル全体を網羅しようと努めています。まずガバナンス、リスク、コンプライアンスに関するコンサルティングサービスから始め、それにモバイルがどのような影響を与えるのか考えます。次にポリシーとアーキテクチャに進む。私たちは適切なモバイルポリシーの策定において組織を支援でき、そのポリシーをモバイル端末に強制する上で提供できる技術とサービスを持っています。

 それが完了したら鍵となるのはテストと評価です。ソリューションプロバイダーは設定をチェックし、アプリなどのセキュリティ対策を評価するサービスを提供できます。ただし、ソリューションプロバイダーが案内役を果たして組織がそのライフサイクルのどこにいるのか、どこで案内が必要なのかを理解する手助けをし、オプションを探ることが重要です。技術だけで問題に対処しようとするのは大きな誤りだと思います。

――チャネルプロバイダーが顧客のモバイルポリシー策定を支援できる方法は何ですか。

アルバニティス氏 プロバイダーはまず、その組織にとってのモバイル化の目標を理解して、技術的にその目標が達成可能かどうかを見極める必要があります。次にモバイルで解決できると見込んだ個々の具体的なビジネスニーズについて使用事例の作成に着手します。それがビデオ会議であれ、プレゼンテーションの共有や仮想デスクトップインタフェースを通じたデータへのアクセスであれ、それぞれの角度から検討し、既存のポリシーや手順と照合します。そしてギャップ分析を行ってモバイル化についての具体的な言及があるかどうかを調べ、組織内で他にモバイルインフラが関連する分野があるかどうかを検討します。この大部分は、ビジネスニーズを理解して現在それがどうなっているかを調べ、ギャップ分析を行って改善が必要な部分を特定したロードマップを作成する作業になります。

――ネットワーキングソリューションプロバイダーは、顧客が従業員に持たせるタブレットなどのモバイル端末選定支援の役割を果たせるでしょうか。

アルバニティス氏 Dimension Dataもその役割は果たせるが、われわれはこの分野で複数の技術パートナーと提携しており、特にセキュリティに関しては技術に関する決定にあまり干渉しないように努めています。比較研究を行って、顧客のニーズに照らした各製品のメリットとデメリットを示すことはできます。現時点でAndroidはセキュリティ研究者に酷評されていますが、これはAndroidがオープンプラットフォームであり、コードへのアクセスもオープンであることを考えれば納得がいきます。

 これに対してAppleのiOSはクローズドなOSです。つまり、Androidの脆弱性が多数報告されているのは、純粋にこれがオープンプラットフォームだという理由で細部まで調べられているためです。一見、Androidの方がセキュリティが低いように見えますが、実際のところは分かりません。セキュリティを強化する鍵は、そのプラットフォームに適用できる管理ツールを探し出すことです。それが特定の技術を推奨する方向へとつながるのです。

――付加価値リセラー(VAR)が顧客に提供できるモバイルサービスには他にどんなものがありますか。

アルバニティス氏 モバイル化は多数の技術分野に関連します。ソリューションプロバイダーにとって大きなチャンスがあるのは、モバイル化が影響を与え得る他の事業分野を顧客に紹介することだと思います。組織のモバイル戦略と一致する分野の1つに、クラウドコンピューティング戦略があります。リソースを全てクラウドコンピューティングモデルに集約し、データとサービスを、主にブラウザ経由でサービスとして提供するのなら、エンドポイントはモジュラー化されます。このバックエンドインフラが導入された場合、モバイルの現実性は一挙に高まります。従って、ソリューションプロバイダーにとって鍵となるのはこうした技術トレンドを全てつなぎ合わせ、実際に実現していくことだと思います。

 私の見たところ、ソリューションプロバイダーは現在の技術トレンドでほぼ純粋な役割を果たすようになっています。IT専門家には技術導入者ではなく技術設計者として、より一層先を見越したアプローチが求められます。ビジネスは技術分野とは逆に、さらに垂直方向へと動いているからです。もはやネットワーク、サーバデータセンター、アプリケーションなどは話題になりません。話題になっているのはユニファイドコミュニケーション(UC)、仮想化、クラウドコンピューティングといったことです。ソリューションプロバイダーは、相互の分野および相互に与える影響について説く立場に立たなければなりません。

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