企業のデータ活用動向、まずは基幹システムと顧客情報から:「大規模データ(ビッグデータ)活用」に関する調査リポート
Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアデータや各種センサーデータといった「ビッグデータ」の活用が注目されているが、実際のところ企業のデータ活用の現状はどうか。調査結果をリポートする。
TechTargetジャパンは会員を対象に「大規模データ(ビッグデータ)活用」に関するアンケート調査を実施した。ビジネスインテリジェンス(BI)の導入意向を中心にデータ活用動向を調査した「BI導入」に関するアンケート調査(2010年11月)では、「BI導入の目的」「BI導入に関する課題」「BIで行いたいと考えている分析・管理」などを中心に尋ねた。今回は、2011年から注目を集めている「ビッグデータ」に関して、読者は実際のところビッグデータをどのようなデータと認識しているのか、そしてビジネスに活用したいデータはどのようなデータなのかを聞いた。以下で調査リポートの一部を紹介する。
調査概要
目的:TechTargetジャパン会員の大規模データ活用動向について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2011年11月22日から12月6日
有効回答数:474件
※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
読者が考えるビッグデータは「基幹システムのログデータ」
「あなたが考える『ビッグデータ』とはどのようなデータですか?」という質問に対して、最も票を集めたのは「基幹システムのログデータ」(50.9%)だった。次いで「顧客や見込み客の個人情報データ」(37.4%)、「ECサイトのアクセスデータ」(35.9%)となった。ビッグデータとして注目を集めているとされる「Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアのデータ」は32.7%となっており、上記3つに比べると若干低い結果となった。
合わせてビジネスで活用したいデータの種類を見ると、やはり「基幹システムのログデータ」(35.1%)と「顧客や見込み客の個人情報データ」(33.1%)が突出している。このことから、現状は社内の基幹システム内のデータの増大化・有効活用に目が向けられている段階と考えられる。
データ活用のためにサーバやストレージの仮想化を検討
データ活用のために導入したいITソリューションを聞いた結果、「ストレージやサーバの仮想化」(40.2%)や「ストレージやサーバの増強」(31.4%)といったハード面の増強・効率化需要が高いことが分かった。また、情報系のツールでは「BIツール」(27.1%)の導入意向が比較的高かった。
日々の分析業務はExcelが主
では、現状の分析業務ではどのようなツールを利用しているのだろうか。結果は「Microsoft Excel」(53.4%)が圧倒的に多かった。一方、今後分析業務のために導入したいツールは、「データマイニングツール」(20.2%)と「BIスイート製品」(17.3%)が比較的多い。また、「特にない」(25.8%)という回答も多く、分析業務に関しては今後もExcelを使い続ける意向の企業が少なくない状況がうかがえる。
また、DWHの導入者にその利用用途を尋ねたところ(フリー回答)、「販売売り上げ分析」や「顧客分析」などが多く挙げられた。中には「売り上げ業績分析、顧客・マーケット分析、キャンペーン・イベント分析などを、商品、エリア、時期など、さまざまな軸で検索・集計・分析している」といった回答もあり、先進的な分析環境を構築している企業も少なからず存在するようだ。
データ活用の主な課題は「人材」と「データマネジメント」
では、データ活用に関して読者はどのような課題を抱えているだろうか。アンケート結果では、「大量データを扱える技術者がいない」(31.8%)が多く挙げられた。以下、「リアルタイムにデータを扱えない」(25.3%)、「マスターデータマネジメントができていない」(25.3%)となった。データを扱うための人材不足と、実際に活用する上でのデータマネジメントを喫緊の課題と捉えているようだ。
詳細なアンケート結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。
本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果とともにアンケート回答者の詳細な属性を紹介している。ぜひ参照されたい。
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