有力ベンダーになる企業を買収する筋書きもあり得る?
OracleはNoSQLデータベース市場でもビッグプレーヤーになれるか
「Oracle NoSQL Database」の最初のターゲットは、ビッグデータに関心を持っている既存Oracleユーザーだとアナリストは言う。Oracleは果たしてNoSQL分野のビッグプレーヤーになるのだろうか。
米Oracleは2011年10月、「Oracle NoSQL Database」のリリースを発表したが、同社がNoSQL市場全体でメジャープレーヤーになるかという点については、専門家の間で疑問視する見方もある。
水平拡張性に優れ、トラフィックが激しいWebサイトへの対応能力などを特徴とするNoSQLは登場して間もない技術だが、データベースの世界では認知度が高まっており、米Diggや米Facebookなどの企業が既に利用している(関連記事:NoSQLデータベースがビッグデータ対象のDWH基盤に適しているわけ)。Oracleは同月、「Oracle Big Data Appliance」を2012年1~3月期にリリースする(※)と発表するとともに、Oracle NoSQL DatabaseをHadoopファイルシステムに対応させるという方針を明らかにした。
※Oracle Big Data Applianceは2012年1月9日に出荷開始している(関連記事:Oracleのビッグデータアプライアンスへの疑問と期待)。
米調査会社IDCでアプリケーション開発・配備の調査を担当するカール・オロフソン副社長によると、OracleがNoSQL分野のビッグプレーヤーになるかどうか予測するのは難しいという。
「NoSQL分野はまだ草創期の段階だ。他に有力なベンダーが登場する可能性も十分にある。また、有力ベンダーになった企業をOracleが買収するという筋書もあり得る」と同氏は話す。
データベースコンサルティング企業の米WinterCorpのリチャード・ウィンター社長によると、Oracle NoSQL Databaseの最初のターゲットは、ビッグデータに関心を持っている既存のOracleユーザーであることは間違いないという。
「既に多数のOracle Databaseを運用している企業の場合、ビッグデータ分野で何かをやろうと思っても、既存のデータベースとどう連係すればいいのかという問題に突き当たる。Oracleはそのことを念頭に置いて、この製品を開発したのだろう」とウィンター氏は話す。
Oracle NoSQL Databaseには、オープンソース版と商用版が用意される。商用版は「Oracle NoSQL Database Enterprise Edition」と呼ばれ、価格は「Oracle Database Standard Edition One」と「同Standard Edition」の間に設定される。「Named User Plus」ライセンスの価格は1ユーザーに付き200ドルで、1プロセッサ当たりのライセンス価格は1万ドル。アップデートとサポートの価格は、従来と同じくライセンス価格の22%だ。
Oracleで「Oracle TimesTen」とOracle NoSQL Databaseの開発を担当するマリーアン・ニーマット副社長によると、多くのOracleユーザーがビッグデータ分野で同社が何を計画しているのか知りたがっているという。「Oracleはデータ管理の分野での経験が豊富なので、独自にNoSQLデータベースを開発することを決めた。NoSQLの将来版では、Oracle Enterprise Managerなど他のOracle製品との連係が強化される」とニーマット氏は語る。
ウィンター氏によると、Oracle製品を利用していない企業が全面的にOracleのインフラに移行しようとした場合、大きなコストが掛かるが、NoSQLであれば安価にデータベースインフラを実現できる可能性があるという。
「例えば、1000万ドルの売り上げ達成に四苦八苦している新興企業の場合、200万ドルも出してOracleのような商用リレーショナルデータベースインフラを導入しようとは思わないだろう。ここ数年、そういったインフラをオープンソースで実現しようという雰囲気が感じられる。高価なソフトウェアライセンス費用を支払わなくても済み、しかも安価なコモディティハードウェアを利用できるからだ」(同氏)
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