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Microsoftが「25億ドル売れるiPad版Office」をあえて出さない理由:アプリ内課金でもめるAppleへの当てつけか
フル機能のiPad版Microsoft Officeの推定売り上げは25億ドル――。専門家のこうした見方を尻目に、米Microsoftはリリースを渋る。その裏には、ある料金設定をめぐる米Appleとの確執があった。
米MicrosoftがiPad用Microsoft Officeのリリースに消極的なのは、米Appleへの反発によるものと思われる。だがその結果、Microsoftは何十億ドルもの収入源を失う可能性がある。
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米金融大手Morgan Stanleyのアナリスト、アダム・ホールト氏が公表した投資情報によると、フル機能を搭載したiPad向けOfficeのネイティブ版をリリースすれば、約25億ドルの売り上げが期待できるという。ホールト氏の予測は、iPad版Officeの小売価格が60ドルになるという前提に基づく。同氏は、iPadユーザー全体の約3分の1が同ソフトウェアを購入すると見積もる。
2014年までにiPadユーザーの数は約2億人に達すると見込まれており、OfficeのフルバージョンをiPadプラットフォームに移植する決断をためらう理由はなさそうに思える。
だがこうした魅力的な収益見込みにもかかわらず、MicrosoftにはOfficeアプリケーションのフルバージョンをiPadに移植する具体的計画がないようだ。
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