“勝手BYOD”の流れは止められず
私物スマホの社内持ち込み 会社と“もめない”ためには?
従業員が自分のスマートフォンやタブレットを持ち込むのは、結局は生産性を高めるためであり、IT部門がこうした行動を完全に妨げることはできない。では、どうすればよいのか?
私物端末の業務利用(BYOD)は、一部の企業で問題を発生させることはあっても、このまま定着するだろう。
BYODは従業員のプライバシー問題を引き起こし、組織を法的問題に巻き込み、IT部門を想定外の事態に陥れることもある。だが従業員が自分のスマートフォンやタブレットを持ち込むのは、結局は生産性を高めるためであり、ITがそれを妨げることはできない――。米ニューヨークでこのほど開かれたITコンシューマライゼーションに関するフォーラム、「Consumerization of IT in the Enterprise Forum」(以下、CITE Forum)において、講演者や参加者からそんな意見が出た。
「従業員は私物端末を構わずに使い続けるだろう。合理的に判断して、コントロールできるものはコントロールしなければならない」。米北東部の金融サービス企業に勤務するITプロフェッショナルはこう話す。
IT部門にできるのは、従業員の私物端末利用を統制するポリシーを設け、そのポリシーを徹底するための技術を導入することだ。このITプロフェッショナルが勤務する企業は、企業向けのモバイル管理製品を使って、従業員の個人資産へのアクセスを妨げることなく会社のデータを保護しているという。
「従業員は会社の利益追求に必要だ。だから会社側は、譲歩してバランスを取らなければならない」と、このITプロフェッショナルは指摘する。
BYODがプライバシーに及ぼす影響
ただし、企業が踏み込み過ぎるとトラブルに巻き込まれることもある。CITE Forumで講演した米法律事務所Pillsbury Winthrop Shaw Pittmanのジョシュア・コンビサー弁護士によると、従業員は、自分のモバイル端末を業務に使う場合にプライバシーは保護されると想定している。そして、会社が端末を個人に支給する場合であっても同様だという。
BYODのプライバシーを巡る従業員と雇用主との争いは、大抵の場合、訴訟にまでは発展しない。だが裁判になれば、会社が「一線を越えて個人情報にアクセスした」と従業員に訴えられ、責任を問われることもある。
法的に身を守るために、雇用側は明確なBYODポリシーを定め、それを従業員に周知させる必要があるとコンビサー氏は指摘。「肝心なのは全関係者から意見を聞き、誰もが納得できて徹底可能なポリシーを確立することだ」と語る。
もっとも、必ずしもこうしたポリシーを確立できるとは限らない。米ITセキュリティコンサルティング企業Coalfire Systemsの調査では、就業者の44%が「勤務先の会社にBYODポリシーがあるかどうか分からない」と回答した。BYODの普及があまりにも早く、企業が即座に対応できないこともある。
オンラインファイル共有・コラボレーション事業者、米Boxのジョン・ハースタイン上級副社長は、「多くのIT部門がポリシーの確立さえできないうちにBYODのサポートを強いられている」と語った。
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