3PAR、バックアップ/アーカイブなどに注力 日本HPのストレージ戦略:NEWS
「HP 3PAR StoreServ」を中核にストレージ製品群のアーキテクチャの統一を図る。同時にバックアップ/アーカイブ製品群の新機種を発表した。
3PARを中核とするアーキテクチャの統一化を目指す
日本ヒューレット・パッカード(HP)は2013年12月19日、報道機関を対象に2014年のストレージ分野の事業戦略説明会を開催した。日本HP エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 HPストレージ事業統括本部 事業統括本部長 福岡英治氏は、2014年に注力する3分野として、
- 技術刷新による次世代のIT基盤の提供
- データ保護環境の変革と戦略的な情報活用の支援
- 中小規模の環境向けに導入が容易で、コスト効果の高いストレージの提供
を掲げた。
次世代のIT基盤の提供では、2013年から実施している「HP Converged Storage戦略」を継続する。この戦略では、多様なものを1つにまとめる“Polymorphic Simplicity”という方針の下で、ストレージ製品群のアーキテクチャの統一を進めている。具体的には、プライマリーストレージ「HP 3PAR StoreServ」を中核に、仮想環境用や情報分析、データ保護などのストレージ製品群をエントリーからハイエンドまで全ての領域でスケールアウト型のアーキテクチャに統一する。
日本HPは、2012年12月にミッドレンジ向けストレージ「HP 3PAR StoreServ 7000」を、2013年7月にオールフラッシュストレージ「HP 3PAR StoreServ 7450」を販売開始した。福岡氏は、HP 3PAR StoreServ製品群の国内売り上げが対前年比で185%成長していることを紹介し、2014年1月にオールフラッシュストレージの大容量モデルを投入すると発表。「2014年がフラッシュストレージの本格導入の年と位置付け、同分野に注力する」と語った。
関連記事
- 専用ASICで高速処理を実現するミッドレンジ向け「HP 3PAR StoreServ 7000」
- 【製品動向】SSDの弱点を独自技術でカバーするフラッシュストレージ新規参入5社
- SSDを使ってはいけない6つのケース
バックアップ/アーカイブ向け製品ラインアップを拡充
データ保護環境の変革については、バックアップ/リカバリ/アーカイブ分野の事業を推進する。同日、日本HPはバックアップストレージ製品群「HP StoreOnce」、アーカイブストレージ製品群「HP StoreAll」の製品ラインアップの刷新を発表した。
HP StoreOnceでは、重複排除バックアップアプライアンス「HP StoreOnce Backup」の新製品5機種を投入(画像1)。HP StoreOnce backupは、最新のサーバプラットフォーム「ProLiant Gen8」を採用することで、旧機種(HP StoreOnce 2620i Backup)と比べて使用可能容量が2倍、バックアップ処理性能が3.7倍向上した(エントリーモデル「HP StoreOnce 2700 Backup」の場合)。
また、ソフトウェア機能を強化(画像2)。保存データの暗号化とデータ消去機能を追加した。さらに重複排除機能「StoreOnce Catalyst」のアプリケーション連携機能を拡張し、「Oracle Recovery Manager(Oracle RMAN)」にも対応。Oracle Databaseにプラグインすることで、バックアップソフトを介さずに直接バックアップ/リストア処理が可能になった。その他、最上位機種「HP StoreOnce 4900 Backup」は、VLANタギングによるマルチテナント機能を搭載。ユーザーやアプリケーションごとにネットワークを分離して安全性を確保できる。
日本HPのエンタープライズ事業統括 HPストレージ事業統括本部 ストレージマーケティング本部 担当マネージャー 諏訪 英一郎氏は、「ソフトウェア版『HP StoreOnce VSA』も提供することでより小規模な環境にも対応でき、全ての機種でStoreOnce Catalyst機能を利用でき一元的な制御が可能である」点などがHP StoreOnce Backupの差別化要因と説明した。HP StoreOnce 2700 Backupの参考価格は、126万円から(税込)。2013年12月19日に販売を開始した。
製品名 | HP StoreOnce 2700 Backup | 同 4500 | 同 4700 | 同 4900 | 同 6500 |
---|---|---|---|---|---|
主な想定用途 | 小規模環境/リモート拠点 | 中規模環境 | 中〜大規模環境 | 大規模環境/データセンター | 大規模環境/データセンター |
筺体サイズ(ラックマウント) | 1U | 2〜4U | 4〜18U | 7〜12U | 19インチラック組み込み済み |
物理容量(Tバイト) | 8 | 24〜48 | 24〜192 | 60〜560 | 120〜2240 |
使用可能容量(Tバイト) | 5.5 | 16〜36 | 20〜160 | 36〜432 | 72〜1728 |
StoreOnce Catalyst使用時の最大転送速度(Tバイト/時) | 3.7 | 9.9 | 22 | 22 | 139 |
関連記事
- 16.3Tバイト/時の処理性能を実現する、重複排除アプライアンス「DXi6802」
- データ重複排除と圧縮の最適化でバックアップ効率を向上させる「Dell DR4100」
- 中堅・中小企業のバックアップ環境の最適化を支援する「Symantec Backup Exec 3600」
アーカイブストレージ製品群であるHP StoreAllでは、ゲートウェイ型「HP StoreAll 8200 Gateway」とアプライアンス型「HP StoreAll 8800 Storage」の2機種を投入(画像3)。
HP StoreAll 8800 Storageは、単一のネームスペースで最大16P(ペタ)バイト、1024ノードまで拡張可能なスケールアウト型ストレージ。検索機能「Express Query」を強化し、複数のクエリが実行可能になるなど性能が向上した。また、OpenStackのオブジェクトストレージ「OpenStack ObjectStorage(Swift)」に対応。その他、「HP Consolidated Archive」「Symantec Enterprise Vault」「CommVault Simpana」などのアプリケーションにも対応する。販売価格は個別見積で、2014年1月23日に販売を開始する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.