一式そろって999ドル
ビデオ会議の価格破壊 Google「Chromebox for meetings」のポテンシャルは?
Googleの企業向けビデオ会議システム「Chromebox for meetings」は、ハードウェア一式がそろって999ドルという低価格。数あるビデオ会議システムと比べ、どのようなメリットがあるのだろう。
米Googleは2014年2月に企業向けビデオ会議システム「Chromebox for meetings」をリリースした。数あるビデオ会議システムの中からChromebox for meetingsを選ぶメリットはあるのだろうか。また、価格は他と比べてどうだろうか。
Chromebox for meetingsは、ビデオ会議のエンドポイントとなるハードウェアとビデオ会議サービスが一体になったシステムである。価格は999ドル。最初の1年間は無料で使用できるが、2年目以降は管理とサポートに年額250ドルを支払う必要がある(本稿執筆時点のサポート対象地域は米国、サポート言語は英語のみ)。ハードウェアには、Chromeboxの他、1080pのHDカメラ、マイク/スピーカー、リモコンが含まれる。ディスプレーはユーザー側で用意する必要がある。
このシステムは、「Googleハングアウト」「Googleドキュメント」など同社のその他コンポーネントと連係する。Chromebox for meetingsを利用する上で、Googleドキュメントは必須ではない。だが、カレンダーとの連係のため「Google Apps」アカウントは必要だ。社外のユーザーも「Gmail」やGoogle Appsを使用すれば、登録済みのデバイスから会議に参加できる。会議参加者の所属企業がGoogle Appsをしていなくても構わない。ただし、「Google+」のプロファイルがないとChromebox for meetingsの会議に参加することはできない。
Googleが提供する導入ガイドによると、同社のエンジニアは、数百または数千ものシステムに拡大できる洗練された製品となるよう徹底的な開発を行ったという。Chromebox for meetingsは米Microsoftの「Active Directory」と統合することができる。また、他のビデオ会議システムやPBX(構内交換機)システムと連係して音声を統合することも可能だ。だが、これには追加のハードウェアやサービスが必要になる。
システムは簡単にセットアップできると同社は強調している。だが、セットアップの難易度は、導入するシステムの数や別のシステム(PBXや既存のビデオ会議システムなど)との統合レベルによって異なる。また、企業のドメイン名を追加するには、Google Appsのアカウントを使用してChromebox for meetingsを登録する必要がある。登録手続きはドメインに参加しているメンバーであれば、誰でも行うことができる。つまり、現在ビデオ会議をサポートしていない企業では、IT部門の力を借りずにChromebox for meetingsを使い始めることが可能だ。
一見するとChromebox for meetingsの価格は魅力的に思える。企業向けのビデオ会議ソリューションを導入していない企業にとってChromebox for meetingsは一考の価値があるだろう。既存のビデオ会議システムメーカーが低コストの競合製品を最近発表しているが、Chromebox for meetingsの価格はそれらと比較しても魅力的だ。
だが、ビデオ会議ソリューションを構築する際に考慮すべき注意点も幾つか存在する。
- Chromebox for meetingsはインターネット経由で動作する。インターネット映像の画質は非常に高いが、中断や障害は常に起こる可能性がある。大きな規模でChromebox for meetingsを導入する場合は、帯域幅やファイアウォールの容量を増やさなければならない
- Googleはセットアップの簡単さを強調している。だがChromebox for meetingsは、たった数台のノートPCやタブレットで動くSkypeよりも高度なソリューションだという点に留意されたい。セットアップが簡単だという同社の主張を信じて購入した場合は失望する恐れがある
- 統合についてはよく考えられているように見える。だが古い機器やシステムを使っている場合は統合が導入の足かせとなることが多い。統合に必要なサービスやテストに伴うコストも計画に含める必要があるだろう
ほとんどのIT投資と同様に、サービスの実質的なコストを把握するには総所有コスト(TCO)を計算する必要がある。TCOは、既存インフラとの統合の有無や、全体的なビジネスニーズによって大きく異なる。例えば、企業の上層部が、安定さを求めてMPLSベースのビデオ会議システムの導入を希望することも考えられる。
Chromebox for meetingsの価格は全ての会議室に設置したくなるくらいリーズナブルだ。ビデオ会議システムの導入を検討している企業には、選択肢にChromebox for meetingsを加えることをお勧めする。だが、総合的なサポート、統合、オンサイトサービスの依頼、サポートスタッフなど、その他のコストについても考慮することを忘れてはいけない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
「身代金を支払う」以外のランサムウェア対策は本当にあるのか?
-
6
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
7
肥大化した「SFA」の沼 4カ月でBigQuery×AppSheetの新システムを構築した方法
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
ネットワールド、ICカード認証対応のシンクライアント構築アプライアンスを販売
-
10
次世代RPA「ハイパーオートメーション」が急成長か Gartnerが予測
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
4
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
5
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
6
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
10
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー